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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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祖父と孫、下心 5

「ここにワシを尋ねてくるのは入学以来だな。まあほれ、座れ。紅茶でも用意してやろう」


「あ、どうも」


 好意をそのまま受け取って、ソファーへと足を向ける。

 フェイは未だに動かないので、しばらく放っておくことにしよう。よほど強い印象を受けたと見える。

 部屋の隅に置かれたヤカンには、怪しげな模様が刻まれている。保温を持たせるための魔術だ。文明の利器を嫌う学長が、魔法びんの代わりに持ち込んだ特注品である。

 彼はそこから、宣言通り紅茶を入れていた。……この世界で一番、不釣り合いな光景に思える。だって筋肉ダルマだぞ?

 とはいえ彼の年齢は80に近い。現在も往年と変わらないのは、素直に褒めるべきだろう。


「どうッスか? 仕事の方は」


「面倒で面倒で仕方ない。前任者の指名さえなければ、直ぐにでも学園から立ち去っていたところだ。生徒など、ワシは大勢の前に立つのが好かん」


「じゃあとっとと止めりゃあいいじゃないッスか」


「給料は良いもんでな」


 最悪だ。

 まあ権力欲にひたった魔術師よりは、彼の方が適任てきにんだろう。魔術師育成学園は清明に限らず、大御所おおごしょギルドや政府との繋がりが強い。悪用する気になればいくらでも学長職は悪用できる。

 角利の祖父――四治しおさめ御法(ごほう)は、適切な人物だ。

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