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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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祖父と孫、下心 3

「会長、天然だと言われたことは?」


「思ったことを口にし易い男だな、って言われたことならある。両親に」


「素晴らしいご両親ですね。……授業の方ですが、出席する際は私も同席します。貴方の素性は隠さなければいけませんし」


「さ、さすがにそれはいらな――」


 目の笑っていない笑顔が飛んできた。こちらに選択肢はないらしい。

 本当に申し訳ないが、安心できるのも嘘じゃなかった。何を隠そう、ほぼ始めての出席になる。緊張感や不安、後ろめたさはどうしても出るだろう。

 気心が知れた――とまではいかないが、完全に一人で行くよりは気が楽だ。

 一方的に恩を買っているのは、情けないと思うけど。


「ま、頑張るしかないか」


「?」


 フェイにも聞こえない独り言。

 決意を新たにした頃、二人は学長室の前にいた。

 彼とまともに話した経験がないのか、フェイはどことなく強張こわばっている。――好感を覚える真面目さではあるが、堅苦しいのは学長も苦手とするところ。

 軽く肩を叩き、リラックスを促す。

 礼儀のよい機械的なノックで、高価な木製の扉が揺れた。入れ、と直後に応じる声。となりのフェイはやっぱり緊張で堅くなっているが、さてはてどうしたものか。

 まあ考えは後にして、遠慮なく学長室へと入らせてもらう。

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