祖父と孫、下心 2
「心なしか、騒がしい気がしますが……」
「大方、ゴーレムの残骸を回収するって盛り上がってるんじゃないか? 都内に魔物が出るなんて滅多にないし」
「……そうですね。本当に会長は大活躍でした。あそこで取り逃していたら、民間人に危害が及んだかもしれません」
「っ、だな」
一瞬、足元がおぼつかなくなる。
自力で立て直すより先に、反応したのはフェイだった。顔を良心の呵責で曇らせながら、細い肩を貸してくれる。
「注意不足でしたね。申し訳ありません」
「いいって、気にすんな。……しかし一度ぐらい、実技授業には出るべきなのかねえ」
「い、いくらなんでも無謀ではありませんか? 実技では魔物と――」
「ああ、知ってる。でもせめて、見学ぐらいはしておきたい。フェイがいる間に、ちょっとぐらいはギルドの知名度を上げときたいしな」
「……」
彼女は目を伏せていた。理由はやっぱり分からなくて、前回と同じように疑問を抱く。
そんな反応に、フェイは少し反感を覚えたらしい。非難のために細くなった眼差しが、一番深いところまで突き刺さる。
ひょっとして、四治会のことを口にしたせいだろうか? 正式なメンバーになれない罪悪感があるとか。