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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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騒がしい女 6

「ほ、本当か!?」


「ここで嘘をついてどうするんですか、もう」


 フェイにもプライドがあるらしく、こちらを直視しようとしない。少し頬を赤くして、まるでひねくれた子供のようだ。

 対して角利は真っ直ぐ。簡単に砕けてしまいそうな少女の手を、力いっぱい握り返した。


「いやあ、助かる! どうにか望み託せそうだ!」


「え、ええ、感謝して――って痛い! 痛いです! もう少し優しくしてください!」


「おっと、悪い」


 感極まって加減を忘れていた。女性相手に何てことを。

 本当に痛かったのか、フェイは握られた右手をさすっている。……あの白い肌に触れていたと思うと、妙な背徳感が沸き上がってきた。顔も少しばかり熱い。

 だがそんな純情、外の大人にはまるで関係ないらしく。


「やっぱりね! フェイちゃん、角利君みたいな馬鹿に弱いと思ったんだよ! ――いてっ!? スリッパ投げないで!」


 無粋な外野は一人、高らかに勝利をうたっていた。


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