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騒がしい女 5
「もう少し話をしろ、ということらしいです」
「向こうが大人気ないだけだろ……なあ、本当に駄目なのか? こういう言い方は卑怯かもしれないけど、フェイは俺を助けてくれたじゃないか。だから――」
「だから?」
「まあ、一緒にいてくれたら、少しは無茶をせずに済むんじゃないかと」
何を言ってるんだろう、弱々しい。
だが予想に反して、フェイは目を見開いていた。特に意味を込めなかった角利は、素直に首をかしげるしかない。
「ど、どうした?」
「別に何も。……しかし、それがありましたか。確かにさっきの戦いを見た後では、説得力もありますね。――なら、こうしましょう」
並々ならぬ不本意を顔に宿し、フェイは右手を差し出した。
行動の真意を見出せず、じっと彼女の姿を見上げる。
「正式なメンバーにはなれませんが、あくまでも協力者としてなら。私以外のメンバーを見つけるまで、力を貸します」