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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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騒がしい女 4

 ……なんだか、維持を張っているようにしか見えない。交渉のチャンスはまだあるんじゃないか? あんな古い思想では、適したギルドが見つかるとも思えないし。

 だが静止の言葉を放つより、彼女が出入り口に手をかける方が早い。


「――?」


 ドアは不思議と動かなかった。

 別に鍵が掛かっているわけじゃない。が、動かない。フェイが力を加える度に少し揺れる程度だった。

 物音と共に映る廊下には、一瞬だが由利音の服装がうつる。……まさかあの人、人力でドアを塞いでるのか? なんて幼稚ようちな。


「くっ――!」


 負けじとフェイも意地を張るが、向こうも随分ずいぶんと気合が入っている。ドアの揺れは逆に小さくなっていった。

 魔術を使っていない時は至って普通の少女なんだろう。慣れない運動に、肩を使って呼吸している。


「な、なあ」


「っ、何か!?」


 完全に八つ当たりを含めた一瞥だった。

 フェイは助けを呼ぶでも罵倒ばとうするでもなく、再び力任せに開けようとする。いっそ魔術で扉ごと吹き飛ばしたらどうだろうか。由利音だって諦めるだろうに。

 しかし彼女は使おうとしない。自力で開けることに意義を見出しているのか?

 それでも、試したところで変化はなく。

 ついにあきらめたフェイは、角利のところへ戻ってきた。

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