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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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騒がしい女 3

「俺が動ければ、あそこで君が盾になる必要はなかったろ。だから、あやまる」


「な、何故そうなるんです。……事情は由利音さんから聞きました。貴方が私と戦ったこと自体、勇気ある行動だったと思います。無理に成果を求めても、自分が苦しむだけではありませんか?」


「だろうな。けど、あそこで引いちゃ駄目だったんだ」


 過去を克服こくふくしたい気持ちは、事件の後からずっとある。

 しかし何を試そうと、心に拒否されるのが現実だった。無理をしたって自分が傷付くなんて、もう身を持って知っている。

 でも前に進みたい。

 だったら少しぐらいの無茶は覚悟するしかない。……このままじゃ、守りたいモノをまた捨てなければならなくなる。


「――ギルドの件ですが」


 らしくなく、フェイは視線をそらして語り出した。角利を直視するのが毒だと言わんばかりに。


「申し訳ありませんが、無かったことにして頂けますでしょうか? もちろん、四治会への干渉は今後行いません。ですから――」


「そんな、頼むよ。フェイがいてくれれば百人力だ。群れてる魔術師が嫌いなんだったら、それこそウチは持って来いだろ?」


「いいえ、お断りします。メンバーを探すなら、それこそ由利音さんを誘ってはどうですか?」


「おい、待って――」


 言い終える前に、フェイは背中を向けていた。

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