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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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騒がしい女 1

「いて……」


 目覚めた時の第一印象は、苦痛だったと思う。近いものを上げるなら筋肉痛。

 まあ無理のない話だ。魔術の使用はざっと五年ぶりになる。アレだけの激戦を繰り広げたのもあって、当然の成り行きだ。

 ふと、魔物の姿が脳裏を過る。


「っ」


 心が崩れそうになって、角利は勢いよくかぶりを振った。思い出したって得るものはない。情けなかったが、最低限の仕事は果たせたのだし。

 そうだ、倒した。事件の時に何も出来なかった自分が、今度は人を守れた。

 考えないと決めたばかりでも、好ましい結末が負担を和らげてくれる。

 もっとも、これで二度と症状が起こらないとは思えない。大体にして、原因中の原因が分かっていないのだ。思い出そうにも苦痛だし、記憶自体が断片化している。

 あせっちゃいけない――いつかの励ましを胸にして、きしむ身体をベッドから起こす。


「あ」


「?」


 あまりに出来過ぎたタイミングの、来訪者。

 フェイだった。制服姿の彼女は、何かに驚いて目を丸くしている。こちらが起きて、不都合だとでも言わんばかりだ。

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