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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第一章 EとS
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傷の話 2

「病院、ですか?」


「そこまで大層なところじゃないけどね。あ、角利君は別の部屋で寝てるよ。ちょーっと無茶しちゃったからね。少しは安静にしてないと」


「無茶、ですか」


 そんな言葉で片付けられるほど、あの力は優しくなかった。暴力と称しても罰は当たるまい。


「彼、一体何者なんですか? 学生魔術師にしては、かなりの実力者に思えます」


「んー、手短に言っちゃえば、君と同じ天才の部類だと思うよ? 子供の頃は遊んだりしないで、修行ばっかりしてたからね。ああいや、彼にとってはそれが遊びだったのかな?」


 ともかく、と由利音は前置きを作る。

 ――彼女の顔に後悔がにじみ出たのを、フェイは見逃さなかった。辛い話を引きずり出すつもりはないので、まず身振りから割って入る。

 しかし由利音は首を振った。気にしなくていい、と付け加えて。


「四治事件、って知ってる?」


「い、いえ、初耳です」


「まあそうだよね、ニュースにもなってないし。……内容はその名の通り、昔の四治会で起こったの。犠牲者は十数名。角利君はその中で唯一生き残った魔術師でね」


「唯一、ですか?」


 頷きを返す由利音には、やはり悔恨かいこんの色がある。

 止めるべきではないかとの思案は、彼女のスムーズな語りによって保留された。

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