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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第一章 EとS
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魔剣乱舞 8

「!?」


 予期しない乱入者。手は成人男性一人をゆうに掴める大きさで、十メートル以上の巨体を思わせる。

 山を作る地面。その間にフェイは魔剣を編みきり、再戦の用意を整える。

 魔物だ。

 起き上がるのは上半身だけ。全身が岩で出来た怪物――ゴーレム。一般人が目撃すれば、間違いなくパニックに陥る脅威きょういだった。

 もっとも、この場には魔術師が二人いる。方や評価S、方やそれを追い詰めた例外者。

 どう考えても、天秤の傾きは明確で――


「あ、あ、ああ……」


「会長!?」


 現実が直視できない。

 全身に不快感が沸き上がる。魔物、なんで? どうして? 何一つ悪いことはしなかったのに、どうしてあんな悲劇が――


「会長!!」


 賢明に呼び掛ける声も、平手を振り被るゴーレムにも気付けない。

 だから。

 彼女が盾になった時は、本当に驚いた。


「ふ、フェイ!?」


 角利を突き飛ばし、犠牲となった少女に反応はない。

 混乱と恐怖に飲まれ、一気に力を解放する。


「あああぁぁぁあああっ!!」


 連打だった。剣の爆撃で、ゴーレムを木っ端みじんに吹き飛ばす。

 やつは巨躯で動きが遅い。フェイを攻撃した直後とあって、防御の構えも取れやしない。

 岩がかけらとなって次々に吹き飛ぶ。

 描いた通りに、ゴーレムは跡形も無くなっていた。


「――」


 安心感が沸いた所為か、本当に体力の限界だったのか。

 誰かの声を聞きながら、角利の意識は落ちていった。


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