失敗活動 2
しかし、予想通りの展開ではある。角利は冷静に、胸の中の失望を出さないよう腰を上げた。……やや勢い余ってしまう辺り、一抹の希望がやっぱりあったんだろう。
事務員もそれを察してか、同情の籠った視線を向ける。
「我々としましても、四治さんのような魔術師には出来る限りの支援を行っていきたいと考えております。しかし、こちらにも限度がありまして」
「あ、はい、大丈夫です。まだ心当たりはありますんで」
「そうですか。……何か進展がありましたらご連絡を差し上げますので。どうか、諦めないでください」
「……はい」
気休めだろうけど、やっぱり安心感はある。
事務員に一礼して、角利は待合室をそのまま抜けた。さっきまで見ていたテレビには、もう別の番組。まったく雰囲気が違う辺り、誰かが局を変えたのかもしれない。
まあ当然だろう。ここに来ている者――魔術師たちは、みな無職だ。成功者の輝かしい歴史を扱う番組なんて、胸倉をつかんで投げ飛ばしたい気分になる。
人混みを抜けて、外に出た。
頭上には、高らかに掲げられた看板が一つ。
魔術師・職業案内ギルド。
それが高校二年生、四治角利が入っていた建物だった。