魔剣乱舞 7
軌跡は喜々として描かれた。手にしている魔剣が折れるが、構うことはない。代わりは何本だって用意できる。
数本目の代替品を叩き付けた辺りで、フェイに苦悶の色が現れた。
見れば彼女の魔剣から破片が散っている。直ぐに魔力で編み直しているが、どうも疲労が重なっているようだ。精度が甘い。
行ける――内心の焦りを極力ださず、角利は一気呵成に攻め立てた。
時間の猶予はそこまで許されてるわけじゃない。誰か人が来れば、それを自分が意識すれば――直ぐ発作が起こる。ましてやもし、魔物がやってきたら最後だ。
故に、その前に叩き潰す。
魔剣一本、へし折れば大人しくなるだろう……!
「くっ!」
双方の汗が濃い。フェイは純粋に消耗で、角利は無理を仕出かした冷や汗で。
しかし、これまでだ。
「ふ――!」
砕く。
得物を失ったフェイの対処は迅速だった。続くこちらの一閃、剣の射撃を避けきり、二本目の魔剣を編もうとする。
どちらの手が速いかは、言うまでもなかったが。
「これで――」
女性相手ということも忘れ、右手を大きく振り被る。
時間切れの合図は、直後だった。
唐突に地面から突き出された巨大な手が、二人の決着を阻んだのだ。