表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第一章 EとS
27/168

魔剣乱舞 5

「――は」


 莫大な魔力が渦巻く。

 一対一なら、誰からも邪魔が入らないなら。

 過去の傷に悩まされることなど、ない。


「っ……!」


 フェイは直ぐに異変を察知していた。低い姿勢で宙を駆け、魔剣の一撃を叩き込もうとする。

 だが遅い。


いくさだ――!!」


 開戦を告げる。

 第一に響いたのは異音だった。空間そのものが割れ、彼らが悲鳴を上げるような。

 それは角利の背後から。重い岩戸を開くように、ゆっくりと開口する。

 対峙するフェイの目には、数十本にも並ぶ剣の群れが見えていることだろう。

 常識を逸脱いつだつした光景は、絶景と評されても不思議ではないかもしれない。無数の剣が宙に浮かび、矛先を一様に並べている姿など普通は見えない。

 すべて同じ形で、しかし鞘に閉じ込められていた。戦う意思を否定するように、根元まで刃を隠している。

 留まりかけた彼女の足が戻る。肝心の刀身が見えていなければ、脅威にはなりえないと。

 なら。


「抜刀!」


 たった一言で、花が咲いた。

 剣のさやは例外なく砕けている。微かな陽光を反射する様は、舞い散る花弁を連想させるものでもあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ