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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第一章 EとS
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満身創痍 4

 青年の気配はいつの間にか消えていた。こちらが苦悩している間に逃げたんだろう。フェイが近付いてきた辺り、角利の後ろへ向かったのか。

 足元が覚束ないまま、壁として立ち上がる。


「……可能なら動機をお答え頂けますか? 社会の規則、なんてものはくだらないので、他で」


「そうだな……」


 冷静に考える余裕はない。本能的な、反射的な解答が喉を突く。


「あんな奴のために、フェイが間違いを犯すのは変だろ」


「面白いことを仰いますね。ですが――」


 逃げられない。他に浮浪者が動く気配もなく、絶望的な構図に固まっていった。


「貴方に、私の何が理解できると?」


 短過ぎる挨拶。振り下ろされる無情の剣。

 それが、男の矜持きょうじに火をつけた。


「っ――!」


 風が舞う。莫大ばくだいな魔力が、実体を帯びる前から現実に干渉していく。

 顕現けんげんする漆黒の魔剣。

 美しさすら備えた片刃の長剣が、フェイの一撃を受け止めた。


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