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命尽くし、再燃 12
御法を炎の嵐が襲った。
「ふんっ!!」
すべて容赦なく撃ち落とされるだけ。無謬の武錬に、仕掛けたフェイも顔色を失う。
だが。
隙さえ作ってくれれば、あとはこちらが引き受ける……!
角利の突進に合わせ、ワイバーンの連射が緩まった。眉を潜める御法。気付いた時にはもう遅い。
しかし、変化は突然に。
彼の使っていた肉体が、突然膝をついたのだ。
代わりにドラゴンが咆哮を上げる。三度目の正直として、再び光を撃ち込むために。
不利だと断じ、ドラゴンの方へ意識を移したのだろう。
「会長!!」
言われなくても分かっている。
間髪入れず解放される光。角利には策略などない。真っ向から挑み、超えることしか頭にない……!
溶ける全身を無視して、突き抜ける。
ドラゴンの喉を貫いたのは、それから間もないことだった。