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命尽くし、再燃 11
「貴様……何者だ!? そのワイバーン、支配下に置いておろう!?」
「――ええ、その通りです!」
声は。
もう二度と、聞けないものだと思っていたのに。
「モルガン!?」
「はい、間違いなく私です。まあ驚きますよね。私、ワイバーンに喰われて死んだはずですよね?」
しかし、魔物と化した幸成の背にいるのは間違いない。本人だ。
だとしたら、
「あの時ワイバーンに喰われたのはオークです。御法さん、言いましたよね? 私には魔物を支配下に置く能力があると」
「まさか――」
「はい。オークに私の格好をさせ、ワイバーンを動かして一芝居うちました。何せ――」
口端を上げ、彼女は誇らしげに言う。
「――早着替え、得意なんです」