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命尽くし、再燃 10
「ほほう、ドラゴンとはな。お前がワシのように感染力を持っておれば、代わりの器でも紹介したところだ」
鳴らされる指。待ってましたと言わんばかりに、先の巨竜が帰還する。
「遊びは終わりとしよう。この一撃にもう一度耐えられるなら、続けてやらんでもないがな」
「――!」
限界に達する光、雄叫びを上げる角利。
激突した先、突き進むのは――
「ぬ!?」
発射の直前、御法のドラゴンが仰け反った。
予想外の展開に全員が虚を突かれる。宙に散らばった光の粒。魔力で構成された物が、妨害の主因だった証拠だ。
三者の視線が向かう先には、一匹のワイバーン。
例え下位の存在だろうと、まったくの無力というわけではないらしい。火炎の弾丸は二発目も命中。姿勢を崩す。
だが次の瞬間、角利は疑わしき存在を認めた。
テュポーンのメンバーだ。
ワイバーンの背に、紅いフードを深く被った少女がいる。