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命尽くし、再燃 8
「加減をしてやろう。ワシの身一つですら、いまの貴様では勝てんだろうがな」
「言ってろ――!」
抜刀。
門が開き、魔剣が飛ぶ。
御法は極めて冷静だった。一本ずつ軌道を読み、避ける、弾くの二択で捌いていく。最初に戦った時と同じ流れた。
変更点は、角利本人だけ。
疾走する間にも身体は魔物と化していく。反対に増幅する身体能力。人の機能を制御する枷を外し、本能のまま叩き付ける――!
御法はまったく怯まず、回避と刃を織り交ぜて対処した。
鍔迫り合いになれば、一瞬でも流れは引き寄せられる。が、そこまでだ。押しきれないし、彼の反撃は凌げるレベルを超えている。
「くく……」
老いた器から考えられない連撃。一度始まれば、受け手は防御で限界になる。
魔剣が砕けた、一瞬の無防備。
首目掛けて、一閃が突っ走った。