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命尽くし、再燃 6
「な、何!? ここは政府の建物で――」
「由利音さん、屋上!」
漆黒の巨影。地上を睥睨する眼差しは、見間違えることなど出来ない。
敵がご丁寧にも、やってきてくれたのだ。
「じゃあここで! 運が良ければ土産話でもするッスよ!」
「期待してるね!」
見送る両手に返事をして、角利は階段を上っていく。
屋上へ近付くにつれ、人の数は減っていった。いずれもこちらを呼び止めず、一目散に避難していく。
代わりは、テュポーンのメンバーのみ。
「退け……!」
フェイの戦いぶりから、実力差は言うに及ばず。