表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
終章 少女の存在、真実
152/168

近付く終幕 19

「っ――!」


 立つ。体力が残ってなかろうと、せめて時間だけは稼ぐ。

 傷は先程と同様、自働的に治り始めていた。魔物化も捨てたもんじゃない。


「初志貫徹、か? 無駄なことを……!」


 矢が生成され、撃たれるまでの数秒間。

 あまりにも迷いのない、目を奪うほど洗練された動作があった。

 空気が割れる。

 そう錯覚しかねない会心の一撃。――直感に行動を委ねなければ、回避など成立する筈もなかったろう。

 背後、着弾した一軒家が爆散する。

 御法は三射目の用意に入っていた。双方の間合いを考慮すると、止めるのはおよそ不可能。躱した上で、残身に入っている彼を攻撃するしかない。

 もう問題は、可能不可能の域を超えている。

 やらなければならない……!

 光が弾ける。発射の衝撃で、建物の骨格さえ揺さ振って。


「ふ――!」


「!?」


 限界を迎えている肉体は、土壇場の賭けに勝利した。

 次は認めない。隙を誤魔化す散弾を耐える覚悟で、力の限り地面を打つ。

 魔術の身体強化が成す、滑空にも近い移動の最中。


「時間切れだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ