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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
終章 少女の存在、真実
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近付く終幕 5

「ほう、面白い」


 角利もいい加減限界だ。迎えに来た箒を、乗るというより手で掴む。由利音が嫌な表情をしたが、ほかに手段がないので仕方ない。

 重量オーバー。由利音は最初から上昇を諦め、安全な降下を選びとった。


「ではしばしの間、お主に預けるとしよう。死にさえしなければ、ワシの計画に支障はないのでな」


 ドラゴンが、いっそう強く翼を振る。

 目前の脅威は撤退を開始した。とんでもない置き土産をいくつも残して。

 地上の人々は今も避難を続けている。空にいた最大の脅威について、認識も安心もなさそうだった。

 もっとも。

 知っていたところで、安堵する者は一人もいなかったろう。



 一行が逃げ込んだのは、角利の家――つまりは四治会の拠点だった。

 フェイが暴れたことと、表の騒動が重なって人はいない。幸いにして魔物もおらず、ひとまずの平穏が訪れていた。……耳を澄ませば悲鳴が聞こえる状態を、平穏と呼んでいいかは疑問だが。


「さあて、どうする?」


 傷だらけの角利に治癒魔術を施しながら、由利音は明るいまま呟いた。

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