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真実 7
一瞬のうちに景色が入れ替わる。まるで突然、別の写真を見せられたような感じ。動いたという実感がなくて、何だか変な感触だった。
しかし辺りを見回すと、転移符の効果を実感できる。建物の隙間、数十メートル先に何やら人影が見えるのだ。恐らく、自分たちが直前までいた場所だろう。
「凄いな……」
「感心ばかりしている暇はありませんよ。オーク、じきに解き放たれますから。魔剣の用意を」
「あ、ああ。――抜刀」
汚名返上と気合を込めて、術の起動を宣言した。
やはり、これまであった不快感は消えている。これならEの評価を覆すのも夢じゃない。
「……しっかし、よく学校の地下にこんなもん作ったよな。魔物を管理するなんて、病院みたく禁止じゃないのか?」
「政府の許可を得ていれば、例外的に可能です。まあ通常は許可を出すどころか、審査すら行いませんからね。学園が基本的に例外です」
「なるほど……」




