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真実 5
「ではこれより、実技授業を開始する。今回は二人一組でオークの討伐だ。各自、自由にパートナーを選びたまえ。決定した者は、私から転移符を受け取るように」
以上だ、と切り上げると、生徒たちは直前の活気を取り戻す。
多くの少年に古傷を刻んだであろう、二人一組になりなさい、という呪いの言葉。友人が少ない角利にとっては、開幕の落とし穴でしかない。
どうするか。正直、赤の他人と組みたくはないんだが――
「会長」
「へ?」
人混みを掻き分けて、フェイが真っ先にやってくる。
開始直後から誘いを受けたのだろう、彼女の背後には沢山の生徒が。評価Sのフェイが角利を選んだことに、驚きと疑問を隠せていない。
それは教師も同じだった。誰よりも早く来た二人へ、転移符とやらを渡すことさえ忘れている。
「……あの、教官。私は彼と組みます。ですので早く符を」
「あ、ああ、了解した。くれぐれも気をつけるように」
念を押すような言葉を聞いて、フェイは一枚の紙を受け取る。