真実 4
地下闘技場。
魔術師育成学園の地下に設けられた、巨大な戦闘用のフィールド。全体的な印象は廃墟となった近代都市で、人目を気にせず暴れられる趣向がこらしてあった。
地平線の向こうにまで空間は続いている。さすが、政府と学園が多額の資金をつぎ込んだ施設だ。国内外でも、これほど広い訓練場は他にないとか。
角利たち、二年三組の生徒はその入口に整列している。
参加者に男女の垣根はない。運動用のジャージに着替え、担当教師の前できれいに整列している。
しかし肝心な落ち着きの方が欠けていた。
最初は臆病者と人気だった、角利の実技授業参加について。これには当人だって驚くしかないので、覚悟していた反応ではある。時間が立てば落ち着くだろうし――実際に落ち着いた。
現在、話題の種は一人の美少女から来ている。
フェイだ。四組の生徒ではあるが、実技授業は二クラス同時に行うので参加している。
もっとも彼女、実は参加する必要はないらしい。評価Sのため、学園での鍛練はお遊び同然。むしろ教える側に回った方がいいレベル。
だからこそ注目度は高かった。皆、その理由を考察することで頭が一杯になりつつある。
「はい、静かに!」
ザワザワと締まりのない生徒たちを、教官は一声でまとめた。