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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第一章 EとS
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プロローグ

 唐突な話だが、魔法と科学って共存できるんだろうか?

 例えば火を点ける魔法があったとする。この魔法は定型にしたがって、修行しないと獲得できない。RPG風味に言うならレベルを上げるとか、そんな感じで。

 対して科学はどうだろう? 火を点ける――なんて方法ならライター、あるいはマッチで直ぐに出来ることだ。オール電化のご家庭なら指先だけでチョチョイのチョイ、である。

 一般の人々が楽だと感じるのは、たぶん後者だろう。

 修行なんて明らかに時間が掛かりそうなものより、お金を払って設備を導入する方が明らかに簡単だ。魔法みたく、事ある事に呪文を唱える必要もない。スイッチ一つ。仕組みを理解する必要はまったくなく、人類が積み重ねた技術の恩恵を簡単に受け取れる。

 科学は誰もが手に出来る普遍性を持ち、魔法は才能のある人間が手にする特権を持つ。

 お互いが技術として同程度のラインに達しているなら、後は需要と供給の問題だ。そう、火を起こす度、わざわざ魔術師を呼ぶなんて馬鹿らしい。ライターで、マッチで、スイッチ一つで代用した方が、明らかに手間は掛からない。魔術師が風邪を引いて来れませんでした、なんて事故もなくなる。

 

 時代が進んで魔法――いや、魔術でなければ出来ないことはなくなった。特権は失われ、科学はその特徴を生かして一気に拡散した。

 とすれば、もう。

 魔術師が独占する仕事は、無くなったようなものだろう。

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