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ゴーレムなカノジョは僕と共に  作者: kUROKOnet
第一章
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第一章~であい~ (5)

ようやっと冒頭に繋いだかな?

まだまだこれからですが是非とも宜しくです!!

「えっと。ここ、だったよね?」


 あれから時折揺れる廃坑内をできる限り早く走り、詰め所へと戻ってきたミュウは早速作業日誌に書かれていた秘密の場所を確認するため、本棚を横にずらしていく。


「本当だ。ここだけ材質が違ってる」


 壁を触っていると、ゴツゴツとした土壁触り心地は似ているが少し人口的な部分があった。


「ここかな?」


 隠し扉らしき部分を見つけ叩いてみると、カンカンと明らかに土壁ではあり得ない音が返ってきた。


「ていうかこれって、金属、だよね?」


 明らかに金属のものと思われる音が聞こえる。


「材質を調べてみたいけど、今はそんな余裕じゃないよね」


 未知の金属を前に精錬師(クリエイター)として興味が尽きないところではあるが、今は自分の命の安全が最優先と先程読んだ日誌を頼りに隠し扉を開けようとする。


「たしか、あれに書いてある通りだとしたらこうやってーーーーーー」


 ミュウは日誌に書かれている隠し扉の開け方を見ながら手順通りに壁を叩いていく。

 すると小さくカチリという音がしたあと、ひとりでに偽装された壁が横にスライドしていった。


「おおー!!」


 今の状況も忘れ、今まで見たことのない技術に感嘆の声をあげるミュウ。

 ひとしきり感動を味わったあと、彼は隠し通路へと足を踏み入れた。


「なんなんだ、ここ?」

 

 先程までの揺れや爆音は感じられず、全体的に光が部屋を包んでおりかなり明るい。

 外は夜のはずなのにここだけはまるで昼のようだ。


「魔石灯? なのかな。だけどこんな機構見、たことがないや」


 さらに気になるのが壁や天井などの材質だ。

 さっきまでの土壁とはまるで違う全体的につるりとした乳白色の壁で覆われている。

 叩いてみるとごっごっと鈍い音が聞こえる。


「これは、金属? でも鉄とかじゃない。一体なんだろ、この金属」


 自分の知っている鉱石を思い浮かべて目の前の材質と重ね合わせてみるのだが、どれもしっくりこない。

 先程までの焦りなど完全に霧散し、しばし時間を忘れて触ったりしてみたあと、まっすぐに伸びている道を歩いていく。


「ホントに不思議な場所だな。・・・・・・とりあえず奥に行ってみるか」


 荷物を担ぎ直し、ミュウは前に続く道を慎重に進んでいこうと一歩前に足を踏み出そうとすると、


『アナタハダレ?』

「ひいっ!?」


 誰も居ないはずなのに声が聞こえ、背筋がぞわりとし思わず声をあげてしまった。

 辺りをキョロキョロと見回すがやはり人は一人もおらず、いるのは長い通路にポツンと小動物のようにプルプル震えながら立っているミュウだけだ。


「気のせい、じゃないよね」


 だが、この声には聞き覚えがある。

 廃坑の詰め所にいた時に聞こえたのと同じ声だった気がする。


『アナタハダレ?』


 三度(みたび)直接頭に響く、何かこちらを探るような声にミュウは導かれるように奥へと進んでいく。

 途中何度か部屋があったが、声の主がいるのはそこではないとなぜか確信にも近い感覚があり、見向きもせず一直線に目的の場所へ向かっていく。




 歩くことしばらく、他とは違った感じの扉があった。

 重厚そうな扉を前に叩いてみたり押してみたりしたが開く気配がない。

 困ったなと思い扉近くを見てみると扉の横の壁に何かをいれるような球形の窪みがあった。


「もしかして、これが鍵か何かかな?」


 瞬時にそう考えたミュウは困った顔になり頭を掻いた。

 ここがどういったところなのかも分からないのに鍵などある場所など知りようもないのだ。

 ここまで来ておあずけを食らうのは癪だと思ったミュウは他の部屋に言って鍵になるものを探してこようとその場を去ろうとしてふと立ち止まる。


「・・・・・・もしかしたら」


 懐に手を入れ魔石を取り出す。これも球形をしているしはまるのではないかと考えた。

 もし上手くいかなくてもそれならそれで他を探そうと思い窪みに魔石をはめてみた。

 すると今までなんの反応もなかった扉がひとりでに開いた。


「やったっ! 開いた!!」


 一発で成功し、喜んだあと魔石を取り外してから中へと入っていく。

 真っ暗闇だった部屋はミュウが足を踏み入れると勝手に明かりがついてあたりを光で満たしていく。

 中には人一人が優に入れるほどでかいガラス張りの入れ物がいくつも部屋の左右に置かれている。

 何かの実験施設なのだろうが今はもぬけの殻であり、なにもないようだ。

 それ以外はなにもなく、それを眺めながら奥へと進んでいく。

 そして一番奥、一際大きな、これだけは水のような透明な液体だ満たされている入れ物があるそれに女性が一人中に入っていた。

 目を瞑っており、ただ液体の中で揺蕩(たゆた)っている。


(彼女だ)


 さっきまで声をかけていたのはこの人だ。

 なぜかは分からないが多分そうだろうと思った。

 まるで眠っているように目を閉じている彼女を見て、ミュウはゆっくり近づきガラスに手をつけた。


「僕はここだよ」


 なにか言われたわけでもなく彼女にそう呟く。

 するとミュウに反応したのか、目蓋がピクピクと痙攣し、ゆっくりと目を開け彼を視界に捉えた。そして彼女は震える唇を動かした。


「アナタハ、ダレ?」


 

此処まで読んでくださりありがとうございます!


ご意見、ご感想、修正等々なにかありましたらどんどんコメント下さいませ✨


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