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ゴーレムなカノジョは僕と共に  作者: kUROKOnet
第二章
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第二章~しょうかい~(14)

ちょっとだけ書き方を変えました。


見やすくなっていればいいですがどうでしょうか?

 「うーん」

 リアの応援を受け、意気込んでみたは良いのだが、やはりどこから手をつければ良いのか分からず、呻き声をあげるミュウ。

 とにかく全体を見なければ判断も何もないなと思い、色々な角度から渡された魔石を眺めてみる。

 彫られている文字はミュウや他の精錬師(クリエイター)が使っているのとは違う独特の文字を使っているため、見ただけではちんぷんかんぷん。


 普段使う家庭用品などには複雑な式は要らない。

 誰でも簡単に使えなければならないために(多少の複雑さはあるものの)、基本的には簡単な命令式で構築してある。


 しかし、ゴーレム用の核は全くの逆。

 人の言葉を聞き作動するゴーレムは、様々な命令式を刻まなければならず、必然的に複雑にせざるを得ない。

 そしてゴーレムはその強靭さゆえに使い方によっては破壊をもたらす。


 なので、誰でも気軽に扱えないように、核に刻む命令式の構築法は使用する主(マスター)以外は他の人には分からないようにしている。

 なのでゴーレムを使用しているところは大体専属の人形精錬師(ゴーレムマイスター)がいる。

 そして一人一人やはりクセというものがあるため、同種の個体でありながら全く違うものが出来上がったりするのである。


 それはギーマンも例に漏れず、暗号のように入り組んだ文字と数字の羅列が刻まれている魔石を解読しようとミュウは頭を悩ませている。


(でも、そこから修正箇所を見つけなきゃいけないんだよなぁ)


 どれ程の時間が経過しただろうか。魔石をじっと目で見たり、触った感触を肌で感じて、意識をそれだけに集中する。


 「・・・・・・あれ?」


 ふと違和感を覚え、思わず口に出した。


 「どうしたの?」


 ミュウの側でこっちを見ているリアが聞いてきた。


 「いや、ここなんだけどね」


 そう言ってミュウはリアに見やすいような位置に魔石を持ってきて式の一節を指でなぞる。

 そこは動作系統(と思われる場所)で、他はなんともなかったのにそこだけ触ったとき、妙に心がざわついたのだ。


 なんとも抽象的ではあるのだが、リアにそう説明するとふーんと興味深そうに聞いてくれた。


 「じゃあ、そこをなおせばこの子はまた動けるの?」

 「と、思う」


 間違っていなければ、ではあるが。


 「親方、これをいじっても大丈夫ですか?」


 ギーマンの方を向いて尋ねてみる。


 「出来ると思うんならやってみな。俺はなにも言わん」


 今まで黙っていた彼から許可をもらい、ミュウは自分の腰につけているポーチから自身の相棒である精錬(クリエイト)用の手袋を取りだし、自身の手にそれを通し、何度か握ったり開いたりして馴染ませる。


 「よしっ」


 手袋の感触を確かめたミュウは早速作業に取りかかる。


 彼はまず先ほど感じた違和感を明確化するために再び意識を集中する。


 「・・・・・・・・・・・・」


 ミュウの真剣さが伝わっているのか、リアもこの時は騒がずじっとして彼を見る。

 ギーマンも特になにも言わず腕を組んでミュウを見つめる。


 「・・・・・・見つけた。ここだ」


 ミュウは不調部分にあたりをつけ、手袋に魔力を通し、命令式の文字を刻み込んでいく。


 「ふぅ。これでいいかな?」


 作業を終えたミュウは手袋を外し、一息吐いて流れ出る額の汗を拭った。


 「おわったの?」

 「うん。多分これでいいと思う」

 「この子、なおった?」


 おずおずと聞いてきたリアにミュウは微笑みを返す。

 彼のその表情にリアもぱぁっと笑顔になった。


 「親方、これでいいですか?」


 修正した魔石をギーマンのところに持っていく。彼は組んでいた腕を解き、渡された魔石を掴み、修正した式を観察する。


 「・・・・・・それで? どこが壊れていたのか分かったのか?」

 「はい」


 顔を上げてまっすぐに彼の顔を見て話すギーマン。

 多分この答え如何で教えてもらえるかどうかが決まるのだろうと思ったミュウは、迷いのない目をしてこくりとうなずいた。


 「腕の稼働部分の一部の魔力断線による動作不良、ですよね?」


 通常、魔石は魔力の結晶体。そこに命令式を刻んで動かすのはさっき言った通りだが、彫った式が荒かったり、何度も使っていくと魔力が通らなくなるときがある。これを魔力断線と呼んでいる。


 「なので、新しいバイパスを形成して魔力を流せるようにしました。親方の式に合わせなきゃなんで苦労はしましたが」

 「・・・・・・そうか」

 「それとーーーーーー」


 ギーマンはミュウの答えに小さくうなずき、魔石を元あった引き出しに入れようと振り返ったとき、彼はさらに続きを口にした。


 「なんだ?」

 「あ、はい。あと、指や間接部なんかの細かいところも魔力断線を起こしかけてたみたいなのでそこも修復を。以上です」

 「・・・・・・・・・・・・」


 言われてみてみると確かに、他にも修復した箇所が見てとれた。

 ギーマンはくるりと振り向き、ミュウの元に近寄り彼の頭をガシガシと乱暴に撫で付けた。


 「えっ、あ、あの?」


 呆然とした顔をして見上げると口端を上げて笑っているギーマンの顔がそこにはあった。


 「よく気づいたじゃねぇか」


 そう言ってギーマンは今度こそ魔石を引き出しにしまった。


 「これを見抜けられるなら問題ねぇな。明日から今日と同じ時間に来な。みっちりと教えてやるからな」

 「・・・・・・はいっ!!」


 最初よく分からずポカンとしたが、すぐにギーマンが出した試験に合格したのだと理解し、ミュウは大声で返事をした。


 「なら今日はもう終わりだ。先に帰って寝てな。明日からは忙しくなるからな」

 「はいっ! よろしくお願いしますっ!!」


 席を立ち、勢いよく頭を下げてミュウはリアを抱き上げて工房を出ていった。




(あんな上機嫌な親方初めて見た。それだけ僕の試験の出来が良かったんだ)


 憧れの人に誉められ、ミュウはにやけが止まらない顔をして部屋へと戻る。


 「ミュウ、ニコニコしてる。ミュウが笑ってるとリアも嬉しい」


 いきなり抱き上げられて最初ビックリはしたが、喜んでいるミュウを見てリアも笑顔になる。

 何よりもミュウとくっついていられるのが純粋に嬉しかったりする。


 「えへへ。リア、明日から僕、もっと頑張るよ。頑張って親方みたいな人形精錬師(ゴーレムマイスター)になれるように努力するから見ててね」

 「うんっ。頑張れミュウ♪」

 「ありがとうね。・・・・・・よーし、明日から頑張るぞー!!」

 「おー♪」


 リアを抱え直し、二人は笑いながら月明かりの下、歩いていった。

ここまで読んでいただきありがとうございます✨


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