プロローグ:静の出した答え...
長らくお待たせしました。ゲーム版のりリースでごたついており書き溜めしておりました。兵吾と話し静が<二人の花嫁>について知っていると言われ、静の家に向かった沙夜。果たして静はちゃんとおしえてくれるんでしょうか?
兵吾達と別れた後、静の家に向かっていた。
ほなくして沙夜は静の家に着いた。
呼び鈴を鳴らすが静は出ない。
色々と聞きたい事があった。
しかし、今聞かないといけないことは一つ、そう思った。
静の携帯に電話をした。
何度目かのコールでやっと静が出た。
「もしもし?静?」
沈黙...
予期せぬ沈黙に思わず言葉を失った沙夜。
どれくらいの時間がたったのかわからない。
1時間、あるいは一瞬だったかもしれない。
次に言葉を発したのは静だった。
「何か用か?・・・ってだから電話して来てるんだよな。」
いつもの静だ。
しかし、なら尚更先程の沈黙の意味がわからない。
しかし、次に黙るとそのまま電話を切られてしまいそうに感じ沙夜は声を絞り出し、質問した。
聞きたかった事を。
「静。高野兵吾って人わかる?」
「あぁ」
「さっきね。家の前でその人に会ったんだ。」
「そっか。」
「うん。」
「で?俺に何を聞きたいんだ?」
「その高野兵吾って人が、<二人の花嫁>のことは静が知ってるって言ってたの。」
「まぁ間違っちゃないな。」
「それってどういう・・・」
「そのままの意味だ。」
「なら・・・」
そう沙夜が言おうとすると静がそれを静止した。
「でも・・・沙夜。お前には言えない。お前だけには言えないんだ。」
「どうして?」
「・・・二人の花嫁のことについて高野さんからどこまで聞いてる?」
静が人に対して敬称を付けるのは珍しい。
でも、今はそう言う事を考えるときではない。
静にそう聞かれ沙夜は悩んだ。
私が高野兵吾から色々聞いてさも知っているように誘導し静がぺらぺら喋ってくれるようにすれば自然と情報が手に入る。
でも、それは友人にしてはいけない。
悩んだ末沙夜は、決断した。
「実は、何も教えてくれてないの。」
「そう・・・か。」
何故か静が諦めたようにため息をついた。
「沙夜はやっぱり、沙夜だよな。」
「何言ってんの?そんなの当たり前じゃん。私は私。静の幼なじみの木嶋沙夜だよ。」
「あぁ。なら俺も幼なじみの頼みは答えないとだな。」
「え?いいの?」
「正直、ここで沙夜が兵吾さんから聞いたフリをしたら話をぶった切って電話切ろうと思った。」
「ごめん。実は、少しだけそれも考えたの。最低だよね・・・私」
「それでもお前は、ちゃんと正直に答えてくれただろう?なら、次は俺の番だ。」
「ちょっと、話が長くなるから・・・まぁなんだ・・・うち入れよ。」
そう言われ静の家の扉が開き静が携帯電話を片手に手招きしていた。
「こんばんわ。」
「まだ夕方だぞ?」
「え?夕方ってこんばんわじゃないの?」
「こんばんわは、夜の挨拶だろ?」
そんなやりとりをして二人して笑った。
うん、普通に会話出来てる。
よかった。
静に言われて静の家にお邪魔させてもらい居間に通された。
静は1人暮らしだ。
静の両親は仕事で常に海外に居る。
仕送りだけは毎月されてるらしい。
また、静には年の少し離れたお兄さんが居る。
会ったのは数回だけど何だか、静とは正反対な物静かだけど社交的な印象を受けた。
外見としては非常に似ている、将来静もこうなるのかとよく沙織と話した物だ。
そんなことを考えてると静が紅茶を持って居間に入って来た。
「ゴメン。今は適当なのしかなかった。」
「いいよ。おかまいなく。お茶の種類とかよくわかんないし。」
紅茶を飲んでいると静が切り出した。
「さっき、沙夜が聞いて来た事を話すには先ず、うちの家の話をしなきゃならない。ちょっと長話になるけどいいか?」
「私が無理言って頼んでるから気にしないで。」
「そういうこと言ってんじゃなくてだな・・・まぁいいや。」
「え?何?」
「お前と話してると話がいつも脱線する。ちょっと元に戻す。まぁうちの家は元々とある家にずっと仕えてるんだ。」
「え?そうなの?仕えてるって?」
「文字通りの意味だ。親父もおふくろもその家の仕事で家に帰ってこないしな。・・・後、兄貴も。」
「お兄さんもなんだ。」
「あぁ。」
「お兄さんたちってどこの家に仕えてるの?」
「浮島」
「え?それって・・・」
「お前の旦那候補だよ。ちなみに、兄貴は現当主の浮島敦の専属従者だ。」
「え?敦さんって現当主なの?お父様は?」
「旦那様は生きてる。が、まぁ沙夜もわかる通り所詮財閥の家なんて優秀かそうでないかでしか判断されない。息子の方が優秀だから父親がその下に着くってのはよくある話だ。」
「初めて聞いた・・・沙織は知ってるの?私、意外と静のこと知らないんだね。」
「あぁ知ってる。沙織も。」
「今の話と二人の花嫁がどう関係するの?全く接点がわからないんだけど。」
「二人の花嫁は、とある家のとある風習だ。とある家ってのは俺が言わなくても近いうちにお前はわかる事になるから敢えて今は言わないからな。」
「え〜それくらい今教えてくれても・・・」
「決まりなんだ。」
「決まり事・・・多いね。」
「あぁ。俺には向いてない。」
「そうかもね。」
「ただ、例外がいくつかあって今回は沙夜がその例外の一つに当てはまるから教えれる情報は教える。」
「例えば?」
「さっきのお前の反応から見ると、兵吾さんが言ってたのは二人の花嫁は風習だ。くらいだろう。」
「うん。よくわかったね。流石幼なじみ!後は、人身御供だとか。」
「おいおい・・・あの人そこも言ったのか。平坂は本当に自由人だな。」
「平坂?高野じゃなくて?」
「は?いや、平坂家だよ。え?お前それ聞いたんじゃないの?」
「いや・・・今、静の口から初めて聞いた。」
「マジかよ・・・兄貴にバレたら俺、怒られんじゃんか・・・」
「大丈夫!私が言わないとバレないでしょ?」
「どうだろう。まぁお前に話すって腹をくくってるし、いいか。話を続けるぞ。そもそも、二人の花嫁ってのはとある四家の風習だ。歳が3つ違いの男女が男二人(男男XX)女二人(女女YY)が同性同世代という条件での極めて低確立で動き出す風習らしい。」
「四家?」
「あぁ。浮島と菱。後の二家だな。」
「へぇ。なるほど。」
「お前本当に理解してんのか?」
「う〜ん、あんまり。」
「・・・話を続けるぞ。その低確立で極稀に動き出す風習の総称が二人の花嫁だ。」
「でも、その話だと・・・女は二人の花嫁っていう総称があるなら男の方は何て呼ばれるの?」
「男に特殊な総称は無い。この風習のポイントは女の方にあるからだ。」
「でも、うちのお父さんが見せてくれた手紙に書いてあったのは、私かお兄ちゃんかどちから1人だけが対象になるらしいよ?」
「おかしいな。そんな筈は・・・」
静が首を傾げていると突然静の家の電話が鳴った。