変なパーマ当てたセフィ□スに負けて世界滅んだ
本当に久しぶりに夢が記憶に残った。
仕事が落ち着いてきたからだろうか、夢を見る余力が発生したらしい。
体力がないと夢も見れずに熟睡する。致し方無し、である。
相も変わらず意味の分からない夢なのはタイトルでお察しだろう。
さて。
記憶として残っているこの夢は、空中からスタートした。ファンタジーっぽく、透明の見えない足場に立って空の上にいたのである。
私たちはセフィ□ス討伐部隊だった。複数名いたがク○ウド氏はいなかった。何故。
地上にいるよりよっぽど近い曇天、厚く垂れ込める灰色の雲の奥から、セフィ□スが現れ、最終決戦が始まった。
このセフィ□スが変で、首周りの髪と毛先が変にふわふわだった。二ヶ所だけパーマを当てる謎スタイル。
夢の中の私は何故かこの髪型にえらく憤慨しており、自身の武器を構えながら「テメェなんだその髪! お前サラサラストレートなんじゃなかったのかよぉっ!!」と怒鳴っていた。何故そんなに怒る。
夢の中の私は、確か魔法職だったと思う。何か特に何もしていなかったような気がする。サボるな。
ちなみに私はFFにわかである。本当にドにわかである。セフィ□スについての知識はどん兵衛とスマブラしかない。
そして魔法職の私がサボっていたからか、パーティーのレベルが足りなかったのか、そのどっちかは分からないが我々は敗北した。我々の無様を嗤ったセフィ□スは何か言って光をビカーッとやって空気をズシャーッとやって世界滅亡のスイッチを押した。
FFをご存じの家族に話したところ「セフィ□スは世界滅ぼすにしてもメテオすると思う」とのことだった。なるほど。
世界滅亡の始まり。世界滅亡っていうとすぐに全てが崩壊する、というイメージがあるがセフィ□スによる世界滅亡は緩やかな崩壊の連続による終焉、という感じだった。
海面がせり上がり、日本が沈んでいく。私たち敗北パーティーはその辺のマンションに退避したが、町を飲み込んだ海の中を鯨のような真っ黒い巨体の生き物が大量に泳いでいるのが見えて、海洋恐怖症のきらいのある私は「イヤァァァァッ」と叫んでいた。
世界滅亡なので、我々に残された食料は手持ちの物だけだった。ふざけた夢なのに食料危機という恐怖の質感がリアルだったのをよく覚えている。
しかもこのセフィ□ス討伐失敗パーティー、ふざけているのか皆手持ちの食料がお菓子ばかりだった。アホである。
節約しなきゃね、でもしたとして結局世界ごと滅ぶんだよな、と暗い顔をしながら皆手持ちのお菓子を眺めていた。遠足か????
そんな中、海抜が高くまだまだ一階すら沈んでいないこのマンションには様々な生存者が辿り着いていった。我々がいる階に上がってきた二人の少女はすでにボロボロで、そんな彼女たちにパーティーリーダーの青年は自分の食料を分けてやっていた。
ちなみにそれは「ブラックサンダー至福のバター」であった。これおいしいよね。
私はこんなときに数少ない己の食料を見ず知らずの他人に分けてあげられるなんて流石選ばれし人間は違うな、と自分のおやつをひしと握り締めていた。自分も選ばれし人間のはずなのに譲る気無し。と言うかお前も手持ちの食料お菓子だけかよ、遠足か????
そんなこんなで世界と共に緩やかに死んでいこうとしている我々敗北者であったが、そんな内の一人である私はマンションの外階段から一階を眺めていて庭の片隅にある祠の存在に気づいた。
神頼みしてどうにかならんかな、なんかご利益あれ、と思った夢の中の私は階段を下りていって、まず供える花をと庭木に近づく。それは季節外れの蝋梅であった。
その枝を一本折るとき、何故か夢の中の私の脳内に「必要なときに木にお願いして折らせていただく枝は簡単に折れる。その場合は木へのダメージも少ない」という謎の知識が過っていた。少し怖い。
それから、建物の外を、よく見るキョンシーの服装の真っ黒なやつを着た辮髪頭の不審な男たちがリヤカーを引いて歩き回っており、彼らに捕まると何か売り飛ばされるらしいので、枝を折るときも祠に向かうときも私は身を屈めてスニーキング・ミッションしていた。
そうして蝋梅の枝を手にして、私は祠に近づいた。枝を供え、少し考えてから手持ちの食料を一つ取り出す。それは、ファミリーパックで一袋5本しか入ってないポッキーであった。しかも完膚なきまでにボキボキ。
たといどんなにボキボキでもこの状況では貴重な食料。私はそれを「なんかご利益あれ」で謎の祠に供えていいものかと悩み始めた。脳内は「でもポッキー食べたいな」でいっぱいだった。そんなもん出し惜しむな。第一自分はトッポ派である。
しかし神頼みしたい、の気持ちが勝ったらしく、ボキボキのポッキーを非常に後ろ髪引かれる動作で祠の前のお皿に差し出した――ところで目が覚めた。
神頼みは成功したのだろうか。そこも気になるがより気になるのはセフィ□スのあの謎パーマである。あんな変な髪のやつに負けて世界が滅ぶとはとんでもない恥である。
そして、仮にもセフィ□スに挑むようなパーティーのメンバーなのに、外を歩く不審な辮髪人攫いから隠れなければならないとは……私が弱すぎるのか辮髪人攫いが強すぎるのか……果たしてどっちだ。
とんでもない夢である。起きて早々に寝ぼけ眼でメモをしてから朝の支度をした甲斐があったかどうかは謎だが、まあこうして皆様にお届けすることと相成った。
楽しんでいただけただろうか。
個人的に思い返しても謎が多すぎて逆に楽しいな、と思う作者であった。




