第3話 オレの解答! (3)
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バスは海岸近くの大きな駐車場に止まった。休憩とちょっとした自由時間だった。
お土産を見てる奴、ソフトクリームをほうぼってる奴、海岸で映え写真を撮ろうとポーズをキメてる奴ら色々だった。
オレはフレッシュなパインジュースを飲みながら、松田と海岸をふらりとした。
波打ち際の傍の一角で、晃惟先生が生徒に囲まれて、一緒に写真を撮っているのが目に入った。
青い空の元、穏やかな波が寄せる砂浜。
潮風になびくロングヘアにミニスカート、華奢な脚がのぞく。そんな女子達の間に苦笑いを浮かべつつも、満更じゃなさそうな先生の顔がオレは見ていられなかった。
オレは青春の1ページを見せられて、男のオレでは勝ち目がない気がした。
「ねぇ、葉山くん達も一緒に写真撮ろう?」
同じクラスの女子が話しかけてきた。
オレは先生への当てつけみたいな気持ちで、いつもより近い距離で女の子達と写真を撮った。乾いたシャッター音の度に、ちょっとおちゃらけたポーズをキメる。そうこれが普通みたいに。
先生の視線がこちらに向かないか、オレを奪られると思って気が気じゃないと、そう思って欲しい…。
虚しいけれど、これはさっきオレが思ったこと……。
ただ、オレだけの気持ちでしかないのが悲しくて可笑しかった。
『こんな綺麗な景色の中、先生しかオレには映らないんだぜ、先生…』
ギュッと握った手は後ろ手に隠した。
女子たちは撮った写真を確認しては、高い声を上げて楽しそうだった。
写真に写ったオレは楽しそうで、羨ましかった。




