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言の葉の憧憬  作者: 九重 ゆりか
言の葉の憧憬
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梨佳へ

梨佳へ


これを読んでいるあなたに、まず、ちゃんと「ごめんなさい」を言わせてください。


今まで、たくさん間違ったことをしてきました。

あなたを傷つけるような言葉ばかり言って、

見てるふりをして、見ないようにして、

気づかないふりをして、向き合ってこなかった。


怖かったの。

あなたの中にある、私の知らない感情や言葉が。

理解できないことがあるたびに、

それを「悪いこと」みたいに扱ってしまってた。

ほんとは、誰よりも知ろうとしなきゃいけなかったのにね。


あなたが「ことはちゃん」と一緒に居るって聞いたときも、

最初は正直、戸惑いと不安ばかりだった。

でも、それでもあの子と一緒に居る時のあなたの表情が、

小さい頃みたいに素直で、やさしくて、

それを見て、あぁ、私はほんとうに何もわかってなかったんだなって思いました。


いまさら何を言っても、都合よく聞こえるかもしれません。 でも、それでもどうしても伝えたくて。

少しずつでもいい、

あなたの“母親”として、もう一度ちゃんと向き合いたいと願っています。


すぐに帰ってきなさい、なんて言えません。

その資格は、今の私にはありません。


でも、いつかあなたが帰ってきてくれた時に、

安心して「ただいま」って言える場所でいられるように。

私も、少しずつ変わっていきます。


とってつけたような言葉で、ごめんなさい。 だけど

愛しています。


あなたが生まれてきてくれて、本当によかった。


                     ――母より

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