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真夏日のベランダでのひと時

作者: きつねあるき

 皆様は、夏休みをどうお過ごしですか。


 学生さんなら、1ヵ月以上は休めるでしょう。


 一方、社会人だと、然程(さほど)お休みが取れないので、ちょっとしたレジャーに行く程度ではないでしょうか。


 若しくは、日頃から溜まった疲れを(いや)す為、ゆっくりと静養(せいよう)するのかも知れません。


 僕の勤務先では、7月~9月の間に5日間ずつ交代で夏休みを取るのですが、一番人気はお盆の時期なんです。


 そこを休めるのは、帰省する方が対象になります。


 僕の夏休みは、8月の終わりから9月の頭にかけて取るのですが、海に行きたい気持ちで一杯になるのです。


 ですが、その時期だと一緒に行ってくれる友達もいないのです。


 なので、日焼けだけを目的に1人で近場の海に出掛けて行くのです。


 ただ、近くの海は砂浜も汚いし、変な臭いがするわで、どうにかしてお手軽に日焼けが出来る所がないかと思慮(しりょ)を巡らせました。


 そこで、自宅にあるベランダが思い当たりました。


 僕の住まいは、低層マンション最上階になります。


 ベランダに、アウトドアチェアを置いて座ってみると、これが思ったよりも快適でした。


 それに、部屋に戻れば冷蔵庫もシャワーも身近にあるので、今年はここで日焼けをしようと決めました。


 海パンに着替え、日焼け止めを()ってからベランダに出ると、強い日差しが降り注いでいました。


 椅子(いす)に悠然と腰掛けると、しばらくは優雅な気分に浸れたのです。


 しかし、思った以上に汗だくになったのです。


 快適に日差しを浴びられるはいいのですが、とにかく(ひま)だったのです。


 スマホ画面は、直射日光が強過ぎてよく見えませんでした。


 ベランダから見下ろす風景の中に、道行く人々が見えました。


 僕は、その中の一人を目で追いました。


 ここからは、十字路に差し掛かる道が見えるのですが、左折するのか右折するのか、はたまた直進するのか予想してみる事にしました。


 しかし、行動が全く読めないのです。


 人は分かれ道に差し掛かると、自分が向かう方角をチラッと見てから進むという認識がありましたが、ほとんどの方がスマホを片手に下を向いているので、そうした行為が見受けられないのです。


 う~ん、次の人はどっちに行くんだろう。


 あ~、またハズレか。


 何だ、予想を変えなければ当たっていたじゃないか。


 いかんいかん、ここにいると余計な事ばっか考えちゃうな。


 やっぱり、日焼けをするには、砂浜で甲羅(こうら)干しをしないと気分が出ないや。


 僕は、1時間も経たずにベランダを後にしました。

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