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パーティーの準備

 王宮で主催されるパーティーの当日、昼すぎにはブラックストン公爵家の馬車が迎えに来た。


 先日、ブラックストン公爵家でパーティーに着用する為のドレスを選んだ。わたしが、ではない。クラリスに選んでもらったのである。


 そのドレスを着用しなければならない。それだけではない。髪を整え、化粧をしなければならない。

 レディは、いろいろと準備が大変なのだ。


 というわけで、もろもろの準備をしなければならないので、はやめにブラックストン公爵家に行くのだ。


 準備が整い次第、ブラックストン公爵家の馬車で王宮に連れて行ってもらう。


 クラリスとわたしが準備をしている間、デリクと大佐は先日と同じようにデリクの執務室でなにやら話をしているようだった。


 待つ間の時間つぶしというわけ。そうとう話が弾んだに違いない。



 クラリスは、控えめにいってもドレスをたくさん持っている。どれも年齢相応のデザインや色合いである。けっして派手であったり、胸元のカットがきわどかったり、デザインが派手だったり残念だったり微妙だったりということはない。


 先日、クラリスに「さあ、好きなのをどうぞ」と言われた。が、結局自分では選べなかった。


 正直なところ、どれが自分に合うのかわからなかったからである。


 だから、彼女に選んでもらった。


 彼女が選んでくれたのは、ライトブルー色で彼女のドレスの中でもより控えめなデザインのドレスだった。


 ちなみに、ライトブルーはわたしの一番好きな色である。


 クラリスだけでなく、ブラックストン公爵家のメイドたちにも手伝ってもらい、どうにかこうにか体裁を整えることが出来た。


 姿見の前に立ってみた。鏡の中には、女装している青年がいる。とにかく、鏡に映るドレス姿のわたしは、不自然で違和感しかない。


(なにこれ? 黒の短髪に黒い瞳で男みたいな容姿だと、ちゃんとしたドレスは似合わないわよね)


 それが、自分自身にたいする率直な感想である。


 クラリスのドレスじたいは、ほんとうに素敵である。ただたんに中身が悪いのだ。中身は、いまさら交換のしようがない。


 いずれにせよ、たとえ違うドレスに着替えようと、中身が伴わないので結果は同じこと。


 つまり、わたしは壊滅的にドレスが似合わない、ということである。



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