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千年前の大魔導師の生涯を知る旅に出た人類最弱魔法使いが、気づけば他種族最強クラスと一緒に旅をすることになった件  作者: 若狭巴
鬼王

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魔族退治 7

「何故かって。面白いことを言うな、貴様。俺の通り名を勝手に使っておいて随分な言い草だな」


腰まである髪が修羅の怒りをあらわすかのようにユラユラと揺れる。


「なぁ、何をするつもりだったか教えてくれよ」


ゆっくり歩き魔族に近づく。


魔族は陣に拘束されているので逃げることもできない。


修羅は陣の中に入り魔族の首を絞める。


この陣は修羅が描いたものなので本人には聞かないよう設定してある。


それを知らない魔族は何故陣の中で動けるのかと困惑する。


首に手をかけられている状況ではどうすることもできず、ただされるがままの状態で命乞いをするしかできない。


「修羅さん。まだ殺さないで。聞かないといけないことがあるから」


最後まで言い終わらずに誰かが近づいてきているのを察知し本来の姿から人間の姿に変身し、いつでも幻術を発動できるようにする。


「紫苑殿。無事だったか。よかった」


近づいてきていたのはカルファート達だった。


「どうしてここに」


近づいてきていたのが魔族ではないとわかり発動を止める。


「カルーナ殿に魔族が攻めてきていて、紫苑殿が魔族の相手をしていると聞いたので共に戦おうと思ってきたのだが、遅かったようだな」


「いえ、逆に丁度よかったかも。今からこの街を襲おうとした理由を聞こうとしてたんだよ。一緒に聞こう」


カルーナ達が上手く作戦を成功させたのだと知り機嫌が良くなる。


後は自分達が上手くやればいいだけ。


二人に負けないよう頑張ろうと魔族に近づこうと足を動かそうとするとカルファートに「目的はクオン殿のお陰でもう知っています」と言われる。


「え?もう知ってるの?」


せっかく張り切って目的を聞き出そうとしていたのにもう知っていると言われ、このやる気をどこにぶつければいいのかと項垂れる。


「はい」


「それで何だったの」


こればっかりはしかたないと気持ちを切り替え尋ねる。


「死者蘇生が目的だったみたいです」


その言葉を聞いた瞬間、紫苑も修羅も頭が真っ白になり無意識に殺気を出してしまいカルファート達を怖がらせてしまった。


直ぐに我に返り殺気を仕舞うもカルファートを除く部下達は気絶してしまう。


カルファートは何とか耐えていたが、膝をついて今にも気を失いそうだった。


「死者蘇生。本当に協力者がそう言ったの」


千年前のことを思い出す。


花冠が現れる前から頻繁に行われていた死者蘇生は最低最悪の魔法として有名だった。


紫苑は死者蘇生された魂の最期を何度も見てきた。


例え魔族の操り人形から解放されても永遠に彷徨い続け苦しみ続ける。


千年前は花冠がいたから苦しみから解放され天に戻ることができたが今はいない。


誰にも助けることはできない。


それをわかっていて魔族は死者蘇生を行おうとしていると思うとどうしても許せず、地獄の苦しみを与えてから殺したいと思う。


「いえ、言ったのはクオン殿です。私は聞いていなかったのですが、クオン殿が聞き出したそうです」


その話が本当か確認したかったが、一体どんな拷問をあの短時間で受けたのかと思うくらい無惨な姿で、とても聞けそうにない状態で諦めるしかなった。


「クオンが?」


クオンが強いのは知っていたが情報を聞き出すこともできるとは思ってもいなかったので純粋に驚いた。


「はい」


「そっか。なら、この情報は確実だろうね」


クオンと知り合ってから数日しか経っていないが、クオンのことを信用しているので疑わず信じた。


「修羅さん」


「ああ。わかっている」


死者蘇生を行ったことを隠すため修羅の名を使って街を滅ぼしたと嘘の情報を流すつもりだったのだと確信する。


「おい、クソヤロー。楽に死ねると思うなよ」


自分に全ての罪をなすりつけようとしたことが許せず首を思いっきり絞め、そこから黒い炎を出し全身を燃やす。


魔族は普通の炎とは違う熱さと不気味さに必死に逃げ出そうとするも、指一つ動かせず跡形もなく燃えて消えた。


そして魔族の魂は修羅の魔法により拘束され長い時間をかけて消滅するまでの間苦しみ続ける。


「後は協力者達だけだね」


紫苑のその言葉にカルファートは「はい」と返事をし覚悟を決める。




「紫苑さん」


「カルちゃん。お疲れ。協力者は全員捕まえられた?」


修羅の移動魔法で一瞬で屋敷まで移動すると丁度目の前にカルーナがいた。


「はい」


「そう、よく頑張ったね。それでどこにいるの?」


「あー、そのそれが、今は、ちょっと行かない方が……」


目線を合わせようとせず言葉を濁す。


そんなカルーナの態度に腹を立てた修羅が「おい、はっきり言え」と脅す。


あまりの怖さにカルーナ「あっちです」といる方向を指を差して教える。


修羅は無言で睨みつけ指差した方向へと歩いていく。


修羅からの圧に解放されその場に座り込み「怖かった」と呟く。


「ごめんね。カルちゃん。修羅さんちょっと今機嫌が悪くて」


死者蘇生をしようとしていると聞かされ気が立っているのだ。


紫苑も修羅と同じくらい怒っているが、カルーナを怖がらせないようなるべくいつも通りに振る舞う。


「いえ。僕の方こそすみません。ただ今は行かないほうがいいかもしれません」


「どうして?」


そこまで言ってふと気づいた。


ここにクオンがいないことに。


「今、クオンがその……」


「うん、大丈夫。大体わかったから」


カルーナの表情と言葉を濁したことで察した。


今頃、協力者達にそれ相応の罰を与えているのだろう。


罰というよりは拷問に近いことはカルーナの表情から読み取れる。


カルファート達に見せるわけにもいかず「修羅さんが呼びに言ってくれたから、ここで待とう」と声をかけ二人が来るのを待つ。


偶に悲鳴と爆音が聞こえてくるが、皆聞こえない振りをする。


暫く経ってクオンが満面の笑みで「紫苑兄ちゃん。来てたのね」と近づいてきたときは流石に紫苑も少し引いてしまった。


「うん、ついさっきね。それより魔族を七体も捕まえたんだって。よくやったよ。後でお肉買ってあげるよ」


クオンと修羅が来るまでカルーナから話を聞いていた。


「本当!?ありがとうなのね」


目をキラキラと輝かせお礼を言う。


今すぐお肉を買って欲しいが、この件が片付くまでは大人しく座って待つ。


「さてと、詳しい話を聞こうか」


誰もが魅了されるほど美しい笑みをするが、その目の奥は背筋が凍ると錯覚するほど冷たかった。

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