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千年前の大魔導師の生涯を知る旅に出た人類最弱魔法使いが、気づけば他種族最強クラスと一緒に旅をすることになった件  作者: 若狭巴
鬼王

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魔族退治 6

「もう、疲れた」


急いで修羅の元に向かうが体力の限界で倒れそうになる。


それでも街の人達のために魔族を倒すため必死に走る。


あと少しで修羅のいる場所に着くというとき、修羅とは違う場所から魔力を感じた。


「ようやく出てきたか」


美しい顔を歪め悪魔のような笑みを浮かべ方向転換する。




「弱い、弱過ぎる」


部下達は全員殺し後はリアートだけ。


最初はリアートから目的を聞き出そうとしたが戦っている最中にあまりの弱さに面白いことが大したことではないように感じ、どうでもよくなり首を掴み魔力を手に集中させそのまま首を吹き飛ばし殺す。


リアートが助けを懇願するも聞く耳など持たなかった。


全員殺したのを確認すると紫苑ともう一つの魔力のする場所へと向かう。


あっちにいる魔族が今回の首謀者だと魔力から感じた。





「ねぇ、こんなところで何してるの。ここは危険だから早く逃げた方がいいよ。あっちに」


紫苑は街の方とは真逆の方を指差し引き返すよう促す。


「そうなんですか。ご忠告ありがとうございます。ですが、街に用があるので行かないといけないです」


「それはどんなよう?」


「とても大切なようです」


「それは自分の命より大切なこと」


「はい、とても」


二人は近くで爆発音が何度も聞こえるのに、にこやかに話し合い腹の探り合いをする。


「そう。例えば、それは街の人達を皆殺しにするとか」


これ以上は時間の無駄だと思い確信に触れる。


「もし、そうだと言ったらどうしますか」


さっきまでの優しい笑みから、ニヤッと不気味な笑みに変わる。


「殺す」


一瞬で無表情に変わり魔法を発動させ攻撃する。


紫苑は攻撃魔法はあまり得意ではないので殺傷力はない。


本人もそのことはわかっていたが敢えて使う。


「この程度で?残念ながらこの程度では私は殺せませんよ」


紫苑に正体がバレたとわかった瞬間本来の姿に戻ると今度は魔族が紫苑に攻撃をする。


その攻撃は紫苑に命中した。


そう思った次の瞬間、魔族の後ろから紫苑が攻撃をする。


紫苑は無傷でそれどころか服すら汚れていない。


流石に何かがおかしいと思うも、すぐに幻術魔法で姿を誤認させられていたのだと気づく。


そして、その幻術が自分では見破れないほどのものだとわかり一人で殺すのは難しいと思い、協力関係の人間に通信するも魔法で妨害されているのか繋がらない。


魔族は結局一人で倒すしかない状況につい苛立ち舌打ちする。


この後、死者蘇生をするのに大量の魔力を消費するためこの戦いをなるべく早く終わらせないといけない。


あまり魔力を消費せずに倒さないといけないとなると限られた魔法しか使えない。


時間と魔力の制限のせいで本来ならいい勝負ができたかもしれないが、制限した状態では紫苑を殺すのは難しい。


それでも何とか殺そうとムキになり視野が狭くなり周りが見えなくなっていた。


場所が最初のところから結構離れていると気づいた頃には紫苑の術に嵌り成す術もなく動けなくなっていた。


「陣、いつの間に」


陣に拘束され魔法を使うことも指一本動かすことが出来なくなる。


「君がここに来る前から」


戦いが始まる前に修羅に陣を埋め込ませて置いて良かったと心の底から思う。


紫苑の魔法では拘束することは難しい。


出来なくはないが苦手で強者には直ぐに解かれてしまう。


「つまり、私は君の手の平の上で踊らされていたという訳ですか」


その問いに紫苑は答えず代わりに笑みを浮かべる。


それを肯定と捉えた魔族は急に狂ったように笑い出したかと思うとすぐに真顔になり「何者だ、お前」と問う。


紫苑はその問いに答えるため変身を解き本来の姿へと戻る。


「……なるほど、そういうことか。噂に聞いてはいたが、お前があの魔喰いの九尾か」


紫苑の本来の姿を見て正体に気づき自分が嵌められた事に気づく。 


魔族の中で魔喰いを知らない者は殆どいない。


魔王が存在しているときから魔族随一を誇る精神魔法使いのリュアードの部隊を五百年前に壊滅させ追い込んだと言われている。


それより前にも魔族を幻術魔法で翻弄し味方同士で殺し合わせるなど残忍な九尾として有名だ。


「俺の事知っているなんて光栄だね。俺はあんたのこと知らないけど」


「知らない」という言葉に魔族は唇を噛み怒りを抑えようとする。


「そう、知らないのは仕方ないことですね。なら、知らなくて結構です。名を知らない相手に殺された間抜けとして噂を流してあげます」


「魔法も使えないのにどうやって俺を倒すつもり」


紫苑がそう言うと魔族は不気味な笑みを浮かべ「ジール」と叫んだ。


魔族の呼びかけに少し離れた土のところから大蛇が現れ紫苑を殺そうと大きな口を開け襲いかかる。


紫苑は一歩も動くことなく「馬鹿だな」と呟く。


魔族は陣に拘束され魔法を使えない状態だから魔力探知ができない。


だから、知らなかったのだ。


修羅がこちらに向かってきているのを。


「ジール。そのまま飲み込め」


勝利を確信しそう指示を出す。


「やっぱり馬鹿だな」


紫苑が死ねば陣の拘束が解けると勘違いしている様子についぷっと吹き出してしまう。


「修羅さん。やっちゃって」


そう言った瞬間、修羅が大蛇を思いっきり殴った。


一撃で大蛇の頭を粉砕し殺す。


「なっ………」


魔族は何が起きたのか理解できず間抜けな声が出る。


紫苑を飲み込もうとしていたのにいきなり頭が粉砕した。


紫苑が魔法で何かしたのか、いやそれとも陣がまだ埋め込まれていたのかと状況を整理しようとしたが、奥の手を潰されたことで殺されるのが確定しそれどころではなくなる。


「修羅さん、ありがとう。助かったよ」


「……」


返事をせず大蛇の体を燃やす。


「修羅だと……何故貴様までここにいる!」


目を吊り上げ、顔を真っ赤にして叫ぶ。


この言葉には紫苑も驚いてしまう。


修羅がこの街にいるという噂が他の街で出回っている。


街の人達は知らなかったが、この街の領主であるカルファートは知っていた。


それなのに、目の前にいる魔族が知らないのはおかしな話だ。


一体どういうことだと、修羅の方に視線を向ける。


紫苑は修羅の顔を見て全てを悟った。


これは修羅に全て罪をなすりつける為に計画的に行われていたのだと。


街の人達が修羅の噂知らなかったのは本当に知らなかったから。


他の街が知っていたのは魔族達がわざと嘘の噂を流していたから。


カルファートの耳に入ったのは協力者を使って知らせ、全ては魔族ではなく修羅がやったことだと思わせるためだったのだ。


「なるほど。そういうことか。これで全て納得したよ」


修羅が記憶を消すなんて面倒なことをするとは思えなかったが、魔族の言葉で謎が解けすっきりする。


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