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千年前の大魔導師の生涯を知る旅に出た人類最弱魔法使いが、気づけば他種族最強クラスと一緒に旅をすることになった件  作者: 若狭巴
鬼王

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新たな仲間

「ねぇ、一つ気になることがあるんだけど」


紫苑が話しかける。


「ん?どうした?」


「(か、可愛い)」


見た目が人間の子供なのでどうしても可愛く見える。


自分より遥かに強いのに庇護欲が生まれる。


声も話し方も子供ぽくて可愛い。


カルーナは弟ができたみたいで喜ぶ。


「君は何族なの?」


「何族にみえる?」


質問を質問で返す。


「(こいつ、やっぱり侮れないな)」


笑いながら「さあ?」と答えるとカルーナが「耳が尖っているしエルフ?それとも小人?」とクオンの種族を当てようとする。


「じゃあ、小人でいいよ」


「(教えるつもりはないってことね)」


クオンの態度からこれ以上聞いても無駄だと悟り諦める。


「へえ、小人なんだ。僕小人初めてみたよ」


クオンの頭を撫でる。


「(カルちゃん。それ冗談だよね……)」


何とも言えない表情でカルーナをみる。




「あの、メンバー増えましたけどどうします?」


一応自分達より強いがカルーナに呪いを解く可能性がないと判断したら去る。


そんなクオンを頼ってもいいのかと不安になる。


他にも強い人がいた方がいい気がした。


「うん、増やそう。これからは魔族や魔物が多い場所に行かないといけないとこもあるし、それに強い人がいっぱいいた方が安心できるしね」


「じゃあ、街に戻って募集しましょう」


早速町に戻って一緒に旅に出てくれる人を捜そうと張り切るも、手で静止し「その必要はないよ」と言う。


「町で募集しないってことですか?」


「うん、そう。俺は千年以上生きているから強い人をいっぱい知ってる。その中で協力してくれそうな人もね」


「わかりました。その人を仲間にしましょう」


確かに町でよく知りもしない人を誘うより、千年以上生きている紫苑の知識を頼って仲間にする方がいい。


九尾が強いと認めるのだから相当強いだろう。


だが、カルーナは忘れていた。


紫苑の本来の姿を見て怖いと思ったことを。


そんな紫苑が強いと思う人物が怖くないはずはないのに。


すっかりそのことを忘れ旅の仲間にしようと思っている人のとこに向かう。





「(怖い。帰りたい。やばい、どうしよう。漏れそう)」


ただ座っているだけなのに圧倒的な強者のオーラを感じる。


紫苑に言われるまま着いてきたことを後悔する。


「久しぶりだね、修羅(しゅら)さん」


「何のようだ、魔喰(まぐ)い」



遡ること三ヶ月前。


「紫苑兄ちゃん、あれも買って」


「いいよ。好きなだけ買いな」


クオンが食べたいもの全部買い与える。


「ずるいですよ、シオンさん。僕だってクオンに兄ちゃんって呼ばれたいです」


何でも買ってくれる紫苑をいつの間にか兄ちゃんと呼ぶようになるが、カルーナのことはカルと呼び捨てに呼ぶ。


「それは仕方ないよ。見た目はあれだけどクオンはカルちゃんより年上だからさ」


「それはわかってますけど……」


それでも紫苑がそう呼ばれるので自分も呼ばれたくなる。


「まあ、せっかくの感謝祭にきたんだから美味しいものいっぱい食べよ。ね」


未だいじけるカルーナを何とか丸め込み美味しい食べ物を腹一杯食べさせる。


「それで、僕達は今どこを目指しているんですか?」


紫苑の知り合いに会いに行くため一旦花冠のことを後回しにしているが、何となく紫苑自身もその人がどこにいるかわかってないような気がする。


何回か尋ねたが笑って誤魔化された。


今もそうして切り抜けようとしている。


「もしかしてシオンさん。居場所がわからないんですか?」


心の中でどうか違うと言ってくれと祈るも、それも虚しく「それが、そうなんだよね。少し前までこの近くにいたって聞いたんだけどね。もういないみたい」と開き直る。


「(やっぱりか……)」


嫌な予感が当たった、と泣きそうになる。


これからも旅を続けるには魔族を倒せる存在が欠かせないが、そんなに時間をかけるわけにはいかない。


紫苑と違いカルーナの人生は短い。


紫苑の感覚で過ごすと旅の途中で死ぬことになるかもしれない。


それだけは絶対にあってはならない。


カルーナを信じて話してくれた人達を裏切ることになる。


「あの、シオンさん。僕達が会おうとしている人はどんな人なんですか?」


仲間にしようとしている人物の特徴を知っていれば見つける手助けができると思い尋ねる。


「鬼の王だよ」


カルーナはその言葉を聞いた瞬間、口の中に含んでいた飲み物を吹き出してしまう。


「お、鬼の王!!冗談ですよね!?」


「冗談じゃないよ」


「……本当に大丈夫なんですか。だって鬼の王ですよ。もし、機嫌を損ねたりしたら殺されませんか」


カルーナの言いたいことはわかるので、しかたないと思う。


人間からしたら鬼は恐怖の対象。


勿論全ての鬼が悪というわけではないが、殆どの鬼は魔族の下につき人間と戦っている。


「あー、それは多分大丈夫だけど……」


「今多分って言いましたよね!やっぱり、殺されるかもしれないんですね!!」


今にも泣き出しそうな顔で紫苑の肩を掴み前後に激しく揺らす。


「いや、大丈夫、大丈夫だから。落ち着いて、カルちゃん。そんなに揺らさせたら、さっき食べた物が出ちゃうよ」


紫苑がやめてくれと言っても今のカルーナの耳には届かず「僕まだ死にたくないです」と泣き叫んでいる。


さすがにこれ以上はと思いクオンに助けてくれ視線を向けるが、椅子の上で気持ちよさそうに寝ていて無理そうだった。


結局、カルーナが落ち着くまで約三十分ほど揺らされ続けた。





「紫苑さん。今度こそ大丈夫なんですよね」


ここ数日、鬼の王の情報を聞くたびにそこに向かうも全部嘘で無駄に終わる。


花冠に助けられた町もあり話しを聞いたりできたので無駄というわけではないが、嘘の情報に振り回され続けるので疲れは溜まる。


今回も嘘だったらと思うと足が重くなる。


それに今から向かう場所は花冠が助けた町ではないので話は聞けないし、魔族と数百年もの間戦い続けていると聞く。


そんなことを聞くと余計に行きたくなくなり、遠回しに今回も違うと思うからやめようと伝えるも「シオン兄ちゃん。俺これ食べたい」と今から行く町のパンフレットに載っている写真を指差す。


「いいよ。好きなだけ食べな」


賭けで大量に稼いだのでお金はある。


毎回金を取り返そうと襲われるが、その度にクオンがボコボコにするので調子に乗った紫苑が今まで以上に大金を手にしていた。


そのお陰で高級ホテルに泊まって旅をするという贅沢をしている。


「こればっかりは運だよ。まぁ、いると信じてよ」


「……はい」


やっぱり行くのか、と項垂れるも二人の後を追い汽車に乗る。

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