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千年前の大魔導師の生涯を知る旅に出た人類最弱魔法使いが、気づけば他種族最強クラスと一緒に旅をすることになった件  作者: 若狭巴
九尾

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九尾

「(ふざけんな!何でこの町に九尾がいんだよ!)」


紫苑の圧で逃げることも言葉も発することもできない男達は心の中で悪態をつくしかできない。


「俺は勝負に勝った。お前達は負けた。それなのに、俺を襲うなら覚悟できてるよね。俺はそれでも構わないけど、どうする?今すぐ消えるなら見逃してもいいけど」


炎の威力を上げ脅す。


「あ、あ……ああああああああ」


一人の男が叫びながら逃げると他の男達も慌てて追いかける。


「ふぅ、危なかった」


男達がいなくなると紫苑は本来の姿から人間の姿に戻る。


「シ、シ、シ、シオンさん、貴方……」


人間じゃなかったんですか、と続けたかったのにさっきまでの紫苑の圧で上手く話せない。


「うん、ごめん。怖がらせたよね」


カルに近づこうとするも体が震えているのに気づき、この場から去ろうとする。


自分がいたら怖がらせると落ち着くまで一人の方がいいだろうと思い歩き出したのに、いきなりカルーナに抱きつかれ足を止める。


「カ、カルちゃん!?いき……」


いきなりどうしたの?と続けようとしたが

「シオンさん。行かないでください!僕怖くないです!大丈夫です!だから、一人にしないでください!お願いです!これからも一緒に旅したいです!!」とカルーナの必死の叫び声に遮られる。


「(別にそんなつもりじゃなかったんだけどな……)」


カルーナが落ち着いたらまた戻ってくるつもりだった。


最初から消えるつもりなんてない。


もし、一緒に居たくないと旅をするのを拒否したとしても丸め込んで一緒に旅をするつもりだった。


それなのに、カルーナには自分が二度と戻ってこないように見えたのかと不安にさせたのを申し訳なく思う。


カルーナの姿が昔の自分と重なる。


いや、カルーナは言葉にしただけ自分よりも立派だ。


紫苑は自分が花冠にしてもらったようにカルーナの頭を優しく撫でる。


「わかった。どこにも行かない。ここにいる。これからも一緒に旅をしよう、ね」


「〜っ、はい!」


さっきまで泣き出しそうな顔だったのに、紫苑の言葉で嬉しそうに笑う。


「じゃあ、行こうか?」


「はい!」


紫苑の手を掴む。


二人はそれから三日間滞在し、食べ歩きをしたり、星を見たり、散歩をしたり、町の人と踊ったりと楽しい時間を過ごした。


カルーナは町を出るときシラーとヴァイオレット、ジン達に見送られている気がして、辺りを見渡すがどこにも姿は見えなかった。


勘違いかもと思ったが、それでもやっぱり見送られている気がして「行ってきます」と呟き汽車に乗る。





「カルちゃん。俺に何か聞きたいことあるの?」


紫苑の本来の姿をみてから二週間。


カルーナはずっと紫苑に何か聞こうとしてやめるを繰り返していた。


最初はカルーナが聞いてくるまで待とうと思っていたが、中々聞いてこないので自分から聞くことにする。


「え?その、はい、いえ、あの……」


「もしかして、花冠のこと?」


「……はい」


紫苑が九尾だと知り、もしかしたらあの時代で生きていたんじゃないか、花冠と会ったことがあるんじゃないか、と思った。


だから、花冠の生涯を知る旅に出ると言ったから一緒に行くと言った。


それなら紫苑の行動も全て辻褄が合う。


でも、これを聞いていいのかと悩んだ。


紫苑はは旅の目的を知っているのに、花冠との出会い内緒にしているのは触れられたくないからかもしれない。


誰しも一つや二つそういったのはある。


だから、聞かないように話してくれるまでまつことにしようと決めていたのに。


思いっきり態度にでていて紫苑にはバレバレだった。


「正直だね。うん、いいよ。話してあげる。カルちゃんの本に出るのも悪くないしね」


そこまで言うと紫苑はゴホンと咳払いをし真面目な顔になる。


「カルちゃんの予想通り、俺は千年前のあの時代に生まれて花冠に救われた一人だよ」


そう告げた紫苑の顔があまりに悲しげで何と声をかければいいかわからず、カルーナは黙り込んでしまう。


「ねぇ、カルちゃん。俺の昔を話す前にカルちゃんはどこまで花冠のことを知っているか知りたい」


「……わかりました」


試されている。


何となくそう感じた。


どれだけ本気なのか示してみろ、と。


カルーナはピリエスから聞いた話、自分で調べたことをゆっくりと話しだす。


紫苑はカルーナの顔を見ず、満天の星空を眺め話を聞いた。

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