悪い女、だって悪役令嬢だもの!
「私が、王妃様の……?」
ええ。二人とも、一緒に修道院に行ってくれないのね……。仕方ないわよね。王妃付きの侍女という夢があるなら。
「はい。私も……目指します。許されるなら」
許される? 父親が反対するかなぁ? 上昇志向強そうだし。でも、義母と義妹とひと悶着あるのかな? 大変だなぁ。毒義家族。
うちは、かわいい義弟のイーグルたんしかいないし。なーんも問題な……まてよ? イーグルたんからすれば私は毒義姉?
ヒロインから見れば、義姉離れできないのは義姉が精神的に支配しているからとかなんか言われちゃう?
う、うう。そう見られないようにするにはどうすればいいんだろう? イーグルたんより大切な人がいますわってアピールすればいい?
うーん。ま、今はまだいっか。ヒロイン登場してから考えようっと。
三人で教室に入ると、やっぱり前方の席は満員御礼なのよねぇ。
まぁ最近は割と静かに授業を受けるようになっているから先生の声が聞こえないことは少なくなったけれど。
ちらちらとアンナの姿を興味深く見ている人たちがいるかと思えば、明らかに敵意を向けてる人もいる。初日にアンナと一緒に問題を起こしてくれた侯爵令嬢やジョージの浮気相手の令嬢とか。
よくも抜け駆けしたわねと言わんばかりの目だ。
怖い怖い。
「ああ、フローレン様、彼女も助けることにしたのですね」
リドルフトが、席に座ると後ろから話かけてきた。
「え? 助ける?」
「ええ。家庭の事情で家族にひどい扱いを受けているという噂は聞こえてきていましたからね」
そうなの?
「フローレン様は助けずにはいられなかったんですね。お優しい方だから……」
いやいや、違う違う。
悪役令嬢だから、優しくないよっ。
「アンナは、実験体よ。皆も覚えておいて、この醜い髪や肌が美しくなるかどうか実験に利用しておりますの」
いいように利用しているのよ
逆らえないのをいいことに、実験に使うなんて! なんてひどい女なのでしょう!
「商品開発のための実験よ? 利益のために利用しているのよ? 分かったわね?」
念押ししておく。
「かわいいなぁ。俺のフローレン。本当はアンナを助けたいだけなのに」
おい、殿下、何か笑ってないか?




