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【書籍化】ぶたぶたこぶたの令嬢物語~幽閉生活目指しますので、断罪してください殿下!【長編連載版】  作者: 杜間とまと


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私のせいです

 自分用のも作りましょう。カット前のところてんをを木箱に入れて、蓋をして、押し出す。

 ちゅるるんっと、麺状のところてんのできあがり。

 殿下がそわそわしている。

 リドルフトが鍋の中の寒天を不思議そうに見ているし、レッドはラミアが口に運ぶのを凝視。

 はちみつレモン味のところてん。

 甘くてさっぱりしておいしいんですよね。

「見た目は似ているのに、しゃっきりした歯ざわりで違うんですね……。このように細くしてもしっかりとしていて食べやすいです。はちみつの甘さとレモンの香りが口の中でところてんとまじりあい……。ゼリーのプルンプルンとは違い、つるんつるんとしてとてもおいしいです」

 ラミアが満足そうな顔を見ながら、私もところてんを食べる。

 甘くしちゃうとデザートの立ち位置かなとは思ったんだけども。食前に食べてお腹を膨らませることで食事量を減らしてダイエットと考えると食前になる。酢は逆に食欲を増す効果があるらしいんだよね。だから三杯酢はやめたのよ。

 あと、フルーツ寒天とかもゼリーとかなりかぶるよなぁと。ところてんにした。

「俺にもくれっ!」

 ずっとそわそわしていた殿下がついに口を開いた。

 ラミアのおいしいって言葉に食べたさマックスなのか。でも、私も食べてる途中なんだから。もうちょっと待ってられないのかなぁ。

 殿下の分を準備しようと腰をあげかけたところで、制止される。

「いや、自分でやる」

 はぁ? 殿下が自分で? 

 ……めちゃくちゃ嬉しそうな顔でところてんを押し出している。

 いや、あれ、気持ちいいけども! 

「レッドの分も作ってやる」

 ……レッドが自分でやりたそうにしてるのを見て見ぬふりをしたな。

「リドルフトのもな、任せておけ」

 リドルフトも残念そうな顔をした。

 そうだよね。楽しそうだもんね。

「これはいいな。ところてんか。うん、うん」

 全部押し出した後に、空になった小鍋の中を名残惜しそうに見る殿下。

 おかしいな。ヒロイン視点で話が進む物語では、こんな子供っぽい感じじゃなかったんだけどな。

「うお、これは食べたことのない新しい食べ物だな」

「実に面白いですね。果物のようにジューシーで不思議な食べ物だ」

「つるつると口の中に入って、喉を通るのいいな。飲み物に近いが、飲み物よりも満足感がある。訓練の途中に食べたい」

 ああ、はちみつレモンは運動部への差し入れの定番でしたね。ところてんは水分九割なので熱中症対策にもなるのかな? 知らんけど。

「ところてんを食べた後に食事をしましょう」

「え? あの、フローレン様……」

「大丈夫よ。炭水化物抜き……パン抜きでおかずだけならばね」

 流石にところてんやゼリーばかりじゃ栄養が取れなくて倒れてしまう。基本はバランスの良い食事。そして運動。

「はい」

 というわけで、食堂の食事が運ばれてくる。本日は魚だ。王都で出てくる魚は川魚。鮎の塩焼きみたいな感じなんだけど、頭や皮がついてることに拒否感があるようで、骨も内臓も皮も頭も尻尾も取り除いた鮎の身が皿に乗ってる感じ。まぁ赤ワインのソースとかかかっていておしゃれなんだけど。ボリューム感はないよね。

「くあー、やっぱ俺はハンバーグのが好きだなぁ」

 レッドががっかりしている。

「なぁ、そう思うよな? 魚よりも肉だよな?」

 レッドが同意を求めるように私の顔を見た。……もしかして、ハンバーグを考案したドゥマルク公爵家の私は肉好きだと思われてる? 

 ふっ。かわいそうなレッド。魚のおいしさを知らないなんて……。憐れむような眼をレッドに向ける。

「え? ええ? 魚より肉だよな?」

 同意を得られなかったのがそれほど悲しいのか、仲間だと思っていたのに裏切られた気持ちになったのか、レッドは今度はラミアを見た。

 ラミアが困った顔をして私を見る。

 そりゃそうだろう。師匠の私が魚より肉だと言ってないのに、レッドに同意などできないよね。とはいえ、ラミアは牛肉を主産業としている領地の娘。肉より魚が好きということもできないだろう。

「ラミア、正直に答えればいいのよ? 好きな食べ物が違えば、取り合いになることもありませんし、悪いことではありませんもの」

 なるほどという顔をしてラミアはレッドに答えた。

「私、昔は肉も魚も好きではありませんでした。肉は固くて顎が疲れてしまいますし、毎日のように肉ばかり食卓に並んでいましたので」

 固い肉は確かに顎が疲れるよね。

「ですが、ハンバーグの作り方を知ってからは、肉を食べるのが楽しくなりました。柔らかいだけではなく、肉にしっかり味を付けることができます。骨から削ぎ落した肉の端切れもハンバーグにすることで売れ残りの肉を食べるしかないというみじめな気持ちがなくなりましたし」

 ラミアはそこまで行ってから自嘲気味に笑った。

「まぁそれで、少々食べ過ぎてこのようになってしまいましたが……」

 うっ。

 丸々としてしまった原因は、やっぱり私が広めたハンバーグだった。ご、ごめん……。責任をもって痩せさせるよ。

 というか、ラミアの言葉に、どう反応していいのかわからないようで三人が固まっている。




ご覧いただきありがとうございます。


大人でも、ところてん、押し出したいよね?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 鮎の塩焼き、皮も取っちゃうのもったいない 魚の皮もコラーゲンなの 魚の皮、食べずに残す人いますが、もったいないです
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