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【書籍化】ぶたぶたこぶたの令嬢物語~幽閉生活目指しますので、断罪してください殿下!【長編連載版】  作者: 杜間とまと


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ふふふ、驚くがよい

「気に入ってもらえてよかったわ。なるべくよく噛んで食べてね。食べられそうならレシピを用意するわ……あ、材料が特殊なものだから、届けさせるわね」

 そういえば、ひじきも昆布もワカメももずくも海ぶどうも海苔も王都では売ってないわ。うっかりしてた。

 ダイエットするために継続して食べられる物を教えてあげないとだめだったよ。何があったかなぁ。思い浮かぶまでは暫くは渡すとして。

「そんなっ、いただくわけには……。代金はお支払いいたしますので」

「いいえ、結構よ。手に入らない物を紹介しておいて、お金をいただくのは売りつけたみたいで後味が悪いわ」

「ですが、弟子にしてくれとお願いしたのは私ですし、それに……痩せたいんです。一日も早く、痩せたい」

 おや? なんだか熱意がすごい。

「ふふ、分かったわ。ではこうしましょう。私はこのゼリーが欲しいです。ゼリーを作るときに使っている、牛の皮を煮てできるぷるぷるしたものが。これが、ラミアの髪や肌を美しくしている食べ物で間違いないと思いますわ。ゼリーと、海苔などの海藻類を交換いたしません事?」

 ラミアの顔がほころんだ。

「はい、ぜひ」

 よし。交渉成立。

 ふふふ。コラーゲン食べ放題生活、ゲットだぜぇ! 

 確かコラーゲンもカロリーはそれほど高くないはずだ。

 とはいえ、果汁などゼリーに使う他の材料はカロリーが高いものもあるから食べすぎは現金だけど。コラーゲンボールとして鍋にでも投入しようかしらね? 鍋もダイエットにはいいのよねぇ。野菜がたくさん食べられるから。海鮮鍋はよく食べたなぁ。

「当面は、こうしてお昼に受け渡ししましょうか。あまり大量でも消費しきれないでしょうし」

 粉ゼラチンや板ゼラチンのように加工されてない生のままじゃ保存もできないだろうし。

 海苔とワカメとヒジキとモズクは乾燥させたものを領地から屋敷に運ばせてあるから日持ちはする。ただ、実際料理に使った状態を見てもらってレシピを渡さないと食べ方が分からないと思うし……。焼き海苔を黒い紙だと誤解するくらいだ。

 それにしても……だ。

「どう考えても、二人で食べきれる量ではありませんわね……」

 うちの料理人もラミアの家の料理人も張り切りすぎだ。

 持ち帰って食べるには流石に時間がたちすぎていて不安だ。

「仕方がありませんわね。残すなんてもったいないことはできませんもの」

 海苔を一枚手に持って、隣の生徒会メンバーのいる部屋のドアをノックする。

「フローレン様、いかがいたしましたか?」

 すぐにドアを開いたリドルフトが部屋に招き入れてくれる。

「レッド様、リドルフト様、私とラミアが持ち寄った食事の量が多くて食べきれないのですが、手伝っていただけませんか?」

 にこりと笑うと、殿下が立ち上がった。

「なんだ、任せろ」

「嫌ですわ殿下。なんの冗談でしょう。私がお願いしたのはレッド様とリドルフト様ですわ。殿下にお願いなど恐れ多くて」

 殿下がずんずんと私の近くへと歩いてくる。

「今日は試作品ではないのだろう? 毒見なら二人にさせればいい。何の問題もない」

 私の目の前まで来た殿下に、海苔を出して見せる。

「黒い、紙?」

 驚いてる驚いてる。

 驚くのはこれからよ! 

「今日持ってきたものはごちそうでもありません。このような品を殿下に食べていただくなんてとても……」

 にこりと笑って、海苔をパクリと口にする。

「フローレン様が紙を食べっ……!」

 リドルフトの驚く声が上がった。


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