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29.コーネリウスの経略計画

シャルロッテの婚約者に見事おさまった人間王子の視点です。

 末端騎士エルンストが気を揉んでいる間、コーネリウスは海の宮殿の回廊を闊歩していた。

 近くの部屋から、婚約者の騒ぐ声と何か物が壊れる音が回廊中に響いている。


 「我が婚約者殿はご機嫌斜めみたいだね。」


 その表情からは特に感情は読めない。だが、彼の侍従はそれが楽しそうな声色だと長年の経験から察した。


 「そーですねー。…殿下、殿下は本当にあのような方とご結婚なさるつもりで?…いや、政略結婚として良い駒っていうのは分かってるんですよ?でもねぇ、言っては何ですが…少々幼くないですかね?」


 「ん?結婚自体、幼少期から決められ、10代前半で結婚することも珍しくない。それに、彼女はああ見えて数百年生きているそうじゃないか。どちらかというと僕の方が幼いよ。」


 「はぁ…。ま、殿下は振り回される方が好きってことで…あ、痛!痛いですって殿下!!…はー、城勤めの窮屈な生活からちょっと羽伸ばしにと思ってついてきたのが間違いでしたよ。これじゃー同じじゃないっすかー」


 「僕のおもちゃになるって分かってついてきたくせに、酷いなー。」


 水の中でも、彼らはここ数か月悠遊と過ごしている。水圧や空気がないことをものともしない。それは、シャルロッテの歌魔法リートによって一時的に海でも過ごせるようになっている。


 箱庭育ちの我儘人魚姫は、コーネリウスと全く考え方も性格も種族も違っていた。

 だが、コーネリウスはそんな彼女を扱いやすいと、新鮮だと、気に入っていた。


 だから不機嫌になって今も海の宝を投げつけて癇癪を起している彼女を見ても、面白いなぁとしか彼は思っていない。

 


ーーーーーーーーーーー


 

 コーネリウスがシャルロッテと出会ったのは、偶然であり、必然でもあった。

 昨年くらいだろうか、忌々しい父親と久しぶりに会話したあの時がきっかけだった。


 「数百年にわたり、周辺各国とアルプトラオム海域全体に対し不可侵の契りを交わしてきた。しかし、その周辺海域から多量の魔力が込められている魔真珠が発見された。…コーネリウス、朕が言いたいことはわかるであろう?」


 「はい、陛下。」 


 「朕は短気なのはよく知っておろう。半年海にでも行っておれ。なるべく多くの手土産を持ってな。…よいか、決して他国の誰にも気づかれてはならぬ。話は以上だ、行け。」


 実の息子に対し手の愛情はない。第2王子であるコーネリウスは、どの王子より賢く、だが人一倍支配欲もあった。しかし、現在実兄である第1王子フレドリックが王位継承順位が1位であり、彼はコーネリウスとは違う魅力を持ち社交界の華で常に人々に愛されていた。そして、フレドリックが国でも有数の権力者ロス公爵家の愛娘であるメレディス令嬢との婚約が決まったことで、将来が約束されたも同然になっていた。


 気に入らない。

 自分は所詮兄の補欠。何かあった時の控え。そんな程度の存在に収まるなんて真っ平だ。

 剣の腕や顔は確かに兄上が上だろう。だが、脳筋や顔だけの兄なんかの為にこの俺が生涯仕えるつもりはない。

 その心意気が、コーネリウスを突き動かす原動力の一つになっていた。 


 母親は第1王子に傾倒していたが、母親の母国パヴァーヌ王国は自分を支持している。

 パヴァーヌ王国は魔力に満ちた魔法の王国エルメンタに比較すると魔法の力は無いにしろ経済は活発でより多くの種族の奴隷取引が行われている、所謂奴隷大国。そして王族は「あるモノ」を使って非常に長寿である。この長寿により、他の国家間との関係において古くからの顔見知りや約束などを握りしめており影響力が強い。

 

 だから、パヴァーヌ王国を盾に王位継承権は守り続けてきた。

 

 王であるゴードンは、自分の息子のうちコーネリウスが一番聡く、そして狡猾であることに感づいていた。そして、次期王になることを諦めていないことも。

 いつも笑みを携えて決して感情や本性を表そうとしない、それは王族として、人の上に立つものとして申し分ない能力であることは認める。しかし、その才を活用し自身まで欺こうとする息子が気に入らなかった。コーネリウスは、裏から手を回し、自分の都合良き手駒になるであろうフレドリックの地位を貶めるような画策を幾度ともしていたからだ。

 

 基本的に、息子たちに対して愛情を持っていなかったが、特にコーネリウスのことは邪険にしていた。だからこそ今回も不可侵の契りがある海域の調査という名の富の簒奪という、無理難題を押し付けては彼の動きを邪魔していた。そしてあわよくば海の利益を独占できればとも。


 コーネリウスは、父の思惑など当然分かっていたため、適当に調査し、適当に理由を付けて帰ろうとしていたのだ。

 しかし、その時シャルロッテに出会ってしまった。


 海に調査に出たコーネリウスが船から顔を出した時、そこに彼女が泳いでいたのを見た。

 初め、見た時は大きな魚の一種かと思った。海に近い国のくせ、大昔の「契り」とやらのおかげで海に出ることのなかったコーネリウス含めエルメンタ王国の者たちは、そのあまりの生命の多様性に驚きの連続であった。そのため、今回も見たことない魚かと思ったのだが…


 ~♪~♪♪~♪


 なんと、甘美な音色で歌うではないか。それに、はちみつ色の鰭と思ったそれは可憐に結わえられた髪であり、よく見ると幼くも美しい乙女の上肢体が月明かりに照らされてはっきりと見えたのだ。


 「…っ、君!ま、待ってくれないか?!」


 彼女は初め驚いたような表情をし、その後花が咲いたように笑って、警戒することもなくコーネリウスに近づいた。コーネリウスは心底吃驚した。まさか、伝説の種族にこうも早く遭遇するとは夢にも思わなかったのだ。


そこから、彼女との逢瀬兼海の調査が思いのほか長く続いた。


 人魚が実在することはコーネリウスは知っていた。パヴァーヌ王国から時々贈られてくる書物の中に、人魚の記述や何か記録のようなものもあったからだ。



 ”人魚は上半身人間で下半身が魚の海に住む種族であり、見た目こそ人間に似ているがその上半身は細やか且つ固い鱗に覆われている。尾ひれの形状は人魚によって十人十色であり、中には毒持ちも存在する。陸には長時間上がれない。”

 

 ”人魚の魔力は人間のものとは比べ物にならないくらい高い魔力を有している個体も多く、その特徴の為海の生態系の頂点に位置するものと思われる。また、彼らは歌を通して魔法を行使することを得意とし、多くの人が歌に惑わされ航路を間違えたり潮の渦目に巻き込んだりする。”


 ”一方、非常に理性的である。凡そ500年前「エピュメテウス連邦国」として大陸南西方が1つの大国として栄えていた時代では海の宝物ほうもつを我々人間と交易していた記録が残っている。その宝物の一部が現在に至るまで様々な名に変えて”


 ”エピュメテウス連邦国が最盛期であった晩年、突如として現れた強大な魔力を持つ人魚一体の為に連邦国の沿岸部全体に嵐が長年走り、津波が定期的に何度も襲ってきた。海の豊かな環境と人魚や他種族との交易で勢力を維持していたエピュメテウス連邦国はこの時に壊滅した。”


 ”この邪悪なる人魚は何者かによって封印されたと思われる。しかし、「不可侵の契り」の為その後の詳細な行方は不明である。”



 おおよそ人魚に関する生態や人間との関係、出来事が書かれてあった。そして、パヴァーヌ王国が密かに送られてきたものの中にもう一つ、走り書きで書かれた紙切れが大切に重厚なケースに入っていた。


 

 ”アルプトラオム海域不可侵の契りについて


 竜と人間、獣人にエルフ、全ての種族は大陸南西沿岸からは決して近づかず、海に入らず、物を取らず、不干渉でいること。それすなわち、人魚族の怒りを鎮めるため。人魚族を襲った人間は特に海に入ることを禁ずる。()()()()()()()()()()()()()()()()()

 この契りが守られる限り、互いの種族は互いの統治に関与せず、不干渉・不可侵でいることを誓う。”



 (あの紙切れは…我が国の認識と異なる部分がある…だが、パヴァーヌ王国が俺に嘘の情報を送る理由もない…ということは…)



 信頼できる部下には人魚が実在するという情報は話しておく。契りの情報は、隠しておいた。自分の持っている情報カードは秘密裏に多くした方が良い。

 シャルロッテに出会った後も、暫くは人魚の存在自体、自身と、自身の直属の部下で情報統制を敷いていた。


 人魚の言葉は人間の言葉と少し共通する部分があって驚いた。シャルロッテが良く教えるおかげですぐに大体わかるようになった。シャルロッテはコーネリウスとは全く違うタイプで、なんでも自分が一番にならなければ気が済まない大層な我儘姫であったが、気に入ったコーネリウスに対しては何でも話した。

 魔真珠のこと、ノッケンメーア王国のこと、両親のこと、人魚は本当は海の外へ出てはいけないこと、それでも自分は許されるくらい父親に愛されていること、人魚の食べているもの、人魚の魔力が高いこと、6人の姉のこと、嫌いな災厄の姫のこと。

 

 魔真珠はどうやら、位置的に災厄の姫が暴走して災厄を振りまいたときに落とした涙らしい。

 コーネリウスは確信した。その「災厄の姫」と呼ばれている姉の姫こそがパヴァースの歴史書に書いてあった「邪悪なる人魚」なのだと。封印されていたという情報は嘘かもしれない。


 手のひらいっぱいに彼女は掬って来て、コーネリウスに手渡した。一粒一粒が、強力な杖の触媒になりえるほどの膨大な魔力を有しており、利用価値はとてつもないものになることがすぐに分かった。父に渡すだけでは惜しい、自分の専売分野にしたいくらいであった。


 大量にあるらしいその真珠を持って帰りたいと言ったら、「あんなの、幾らでも溜まっているから持っていったらぁ?」と呑気な返事が返ってきた。シャルロッテの嫌っている「災厄の姫」と呼ばれる姉は、きっと想像を絶する魔力持ちに違いない。そう言ったら急に不機嫌になったため、コーネリウスはその姉の話題をすることはしなくなった。


 しかし、強力な力を持ち大量の宝を生み出す両刃の剣のような「災厄の姫」の存在は彼の頭にずっとあった。



 「…それより、ねぇ、コーネリウス様は好きな人いるの?」


 何回目かののある夜明けの船上、頬を赤らめ、潤んだ眼を伏せてシャルロッテが問うてきた。


 この時、好機かもしれないと感じた。

 彼は、もしかしたら魔真珠を申し分ないほど手土産にし、父王のご機嫌を取るという功績を上げるだけでなくノッケンメーア王国という一つの人魚の王国を我が物にできるかもしれないという考えが浮かんだからだ。

 魔真珠だけでも巨額の富を生む。それが海全体を手に入れたとしたら、一体どれほどの宝が眠っているだろう。そして、その宝の価値、海の価値を知るものは今のところコーネリウスくらいだ。


 今までの話から、シャルロッテは随分と人魚の王の覚えがめでたく、母親の政治的影響力も非常に大きそうだ。

 なら、ここでシャルロッテを自分の虜にさせておけばいずれ自分が人魚の王国を乗っ取れるのではないかと。

 シャルロッテは良くも悪くも、素直で我儘で、だからこそ所々愚かで政治的部分にも疎いことが見て取れた。操るには都合の良いお人形だった。


 「今、目の前にいるって言ったら、どうする?」


 彼女の手を取り、多くの女性を魅了したいつもの優しい表情を作りじっと彼女の太陽のように輝く瞳を覗きこむ。

 

 「あ…、あの、、本当に?…クスス、照れるわぁ!…あ、でも、…私は人魚なのよぉ。いくらコーネリウス様が好きって言ってくれても、陸の上じゃあ私は干からびちゃうし、生きてはいけないわぁ。」


 「なら、俺が君の国に行くのはどうかな?君とずっと一緒にいられるじゃない?」


 「そんなこと…できるの?…してくれるのぉ?」


 「うん、できるよ。君が時々俺に掛けてくれる水中でも過ごせるようにする魔法、あれを定期的にこの魔石のペンダントに込めてくれればずっと海で過ごせる。それに…」


 人魚の国は、王が右を向いたら国も向く、非常にシンプル故に脆い体制と聞いている。もしコーネリウスがシャルロッテと上手く結婚でき、そこから人間のノッケンメーア王国に対する干渉を広げていけば…後は属国化など時間の問題だ。

 

 「俺は人間の国、エルメンタ王国の第2王子だ。王子だから、君と結婚すれば国同士も強く結びつくだろうね。そうすると、人間の国と色んな交流ができるだろうし、俺は君とずっと一緒にいられる、良いことづくめだとは思わないかい?」


 「でも、おねぇ様…あ、災厄の姫って言ってた姫ね、そいつが今次期国王の候補なのよぉ…。私じゃまだ魔力も強さも追いついていないって、古株の大臣たちが…。」


 「でも、お父様やお母様は君を応援してくれるだろう?一度言ってみたらどうかな。…それに、君の国じゃどうか分からないけど、人間の国、陸の方ではね、権力あるものと結婚するとその者の立場や権威を強固にできるんだ。だから、君は俺を婚約することで人間の国の後ろ盾も得られる。」


 「そうなのねぇ!じゃあ、お父様に言ってみるわぁ!コーネリウス様は優しくてとても賢いのねぇ!私が王になったら、あなたも一緒に番としてノッケンメーアを支えてくださるのぉ?」


 「もちろんだよ。…じゃあ、俺と婚約してくれますか、美しい人魚姫?」


 優雅にシャルロッテの手を取り、優しくキスをする。シャルロッテの答えは恍惚とした表情から明らかだった。

 

 


 父王ゴードンに渡してやってもいいと思える程度の魔真珠を持って帰り、更なる手土産として人魚の国ノッケンメーア王国をと言ったら、目の色を変え、上機嫌で好きにしろと言われた。

 だから好きにするつもりだ。エルメンタ王国の属国に人魚たちに違和感なくするには自信があった。最初は慎重に、ゆっくり人間の手を海に入れていく。そうして気が付いたときにはエルメンタ王国の支配から逃れられないように、まるで蜘蛛の巣のように、丁寧に巣を張っていくつもりだ。


 人魚の王は単純で、娘の言うことをすんなりと聞いたが、「災厄の姫」とシャルロッテが嫌い、人魚たちの多くが恐れていたエリュシオネーとやらはコーネリウスを見た途端警戒した。警戒したのがすぐ分かった。彼女の魔力が若干ざわついたからだ。


 この時初めて「災厄の姫」と婚約者が嫌い、かつての大国をも滅ぼしたという歴史書に書かれた人魚を見たが、確かに他の人魚とは一線を画す雰囲気を持っていた。

 彼女は人間が昔人魚を襲ったと言い、仇を見るような目で自分を見てきた。間違いない。彼女が歴史書に書かれていた500年前に大国を滅ぼしたとされる人魚だと。


 「お父様、人間が500年前に我々人魚を虐殺したのをお忘れか?」

 「いきなり我らを虐殺する種族と、いきなり何もなしに急に婚姻だと?!正気を疑う!」


 厄介だと感じた。だが、利用価値は十分にある。


 幸い、500年前の出来事を覚えている人魚は少数派だった。王は覚えているはずだが静観しているのは些か奇妙に感じたが。

 だが、コーネリウスにとっては今この状況では、人魚の王の反応はどうでも良かった。まずは人間が人魚を襲った、血を求めたという事実をなかったとこの場で大々的に言ってしまえば、多くの人魚はどちらが本当かはまず分からないだろう。何せ、「災厄の姫」は今決定的な証拠を持っていない、ただ主張しているだけだから。


 「でも、国を災厄に陥れたことのあるおねぇ様の言うことなんか、本当かどうか分からないわぁ」


 シャルロッテはコーネリウスに心酔している。ここで都合の良い助け船を出すほどに。


 「ねぇ~コーネリウス様ぁ、人間が私たちを襲ったって言う歴史とかはあるのですかぁ?」


 襲ったということを隠したい人間側が、本当の事を言うはずがない。だから、


 「うーん、どうでしょうね。私は城の秘蔵の書物をも読む権利がありますが、そのような記録を残した書物など、見たことも聞いたことも。」


 何食わぬ顔で答えた。信じる方が馬鹿なのだと言わんばかりに。

 だが、人魚の国民たちの多くはこの言葉を信じたようだ。それに加え、人魚の国王までも「記憶にない」と。とんとん拍子にうまい方向へ運んで何かしら気味の悪さを感じたコーネリウスだが、ここで止まるわけにはいかなかった。  

 

 今のノッケンメーア王国で自分がシャルロッテの婚約者と公になってしまえば、災厄の姫を追い出すことは簡単であった。現に、彼女と彼女の母アデリナは積極的に追い出そうとしている。こちらとしても、500年前のことを蒸し返そうとしていた彼女を追い出すことは寧ろ好都合であった。

 ノッケンメーア王国内での人間の印象が悪くない内に、昔の出来事が忘れられている内に丸め込んでおきたかった。


 しかし、大量の魔真珠を生み出せる金のガチョウのような者がエルメンタ王国の外へ流れる、自分の手の届かないところへ行くなど許さない。だから、監視のしやすい学園へ招待した。数年ならば、あそこへ閉じ込めておけるだろうから。


 その間にコーネリウスはシャルロッテとの婚約を結婚に移し、政治に手を入れ、ある程度掌握したところで再び金のガチョウを呼び戻す。檻の中で、永遠に魔真珠を生み出してもらうために。

 

 魔真珠、そうだな、無粋な名前ではなく魔真珠(人魚の涙)とでも名付けて売れば貴族の中で買い付ける者も急増するかな。

 


ーーーーーーーーーーー

 


 「殿下~、シャルロッテさんそろそろ落ち着かせにいきましょーよー。」

 侍従のトムの呼びかけに、ふと部屋の方を見ると未だ愛しの婚約者は泣きわめいていた。それをみてクスリと笑う。

 

 どうせ彼女は俺を見たらご機嫌になる。その時にコロッと表情が変わる様も見てみたいものだ。

 

 今の彼女は自分を妄信するくらいに傾倒している。これなら血を分けてもらえるのも早々に実現しそうだ。

 コーネリウスは口端を少し上げ、回廊の傍にある一室に向かった。


 「すぐ行くよ。」



 (あぁ、人魚はなんて頭の悪く可愛い種族なのだろう、俺の思い通りになぜこうも動いてしまうのか。つまらない、利用価値のある、可愛い婚約者の国は今後は俺のものだ。)

 



 まもなく、回廊中に響いていた金切り声と物が割れる音が鳴りやんだ。


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