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17.上陸ー衣服って何だ?

いつも読んでくださりありがとうございます!

今回は(も)人魚姉妹ワイワイどんちゃんやっていく話です。

『お主が、この中で偉いのじゃな?この方たちはノッケンメーア王国の姫君なり。案内せよ。』


 アメリアが一番上の位であろう者に声をかけてくれたおかげで、人間の兵たちは戸惑いながらも私たちを「馬車」という4本足の気位が高そうな動物に引かせた箱へ連れていってくれた。我々が使うシュリッテンのようなものだな。


 海と違い陸は下へ引きずる力が大きいから乗り物の構造も大きく異なるのかと改めて思う。ここは興味深い。


 箱は比較的大きく、4つあり、その中から7人の人間の女性の召使らしき者どもが出てきた。 

 彼女たちが酷く気まずそうな表情をしていたので


 『どうした?』


 と人間の言葉(アメリアから教えてもらっていた。500年以上前のものなので通じるか怪しかったがおおむね通じるそうだ)で声を掛けたら、早口で説明してきたのでアメリアに通訳を頼んだ。


 「姫様、私もこの者たちの焦ったような早口を全て聞き取れはしませんでしたが、大体、衣服のことを言っているようです。」


 「衣服だと?」


 「まぁ、服!わたくし、宮殿の書物で呼んだことがあるの!この兵たちが身にまとっている者でしょう?!あれ、飾り鰭や鱗でもなく、布という別のものを身にまとっているのですって!人間は自分で温度を調節するのが難しいから、衣服で体温を維持しやすいようにって。あと、人間は、服がないと恥ずかしいという文化というのも呼んだことありますわ!」


 ミーハーなララがほぼ全てを説明してくれた。なるほど。我ら人魚は上半身は人型を取っているとはいえ、全身細かい鱗に覆われている上、肉体的な美を見せるのに全身を覆うような衣服はむしろ不要だとする考えなのだ。高貴な身分を現すために真珠や海の涙を連ねたブレスレットや鰭輪、冠などを飾っていたが…。

 なるほど、衣服は用意してこなかったな。


 衣服と言えるか分からないが…確か装飾用にシルクコンブで作られた薄織のフリル状の腰巻があったか。巻いてみるか。


 「どうだ?」


 だが、海とは違い陸では濡れていると腰や尻に張り付くな…。


 「うーん、なんか人間のより短いし張り付いているからこの人たちみたいな服って感じじゃないねー。」「だねー。」

 「さっきから人間の男が鼻から血を出しています…?」


 やはり何か違うようだな。ではこれではどうだ…?

 私は浜辺に打ち上げられている大きめのコンブを拾い上げ、それを体に巻き付けてみた。


 「これでよいか?」


 妹たちの反応はピンキリであった。


 「まぁお姉様!ただのコンブが書物にあった「ドレス」なるものにそっくりですわぁ!」

 「あはは!姉さんそれっぽいそれっぽい!」「いいね、真似しよーよ!」


 ララやウータ、ウーテ達には好評だったのだが、


 「あ、あの、姉様、なんか兵士の方々が余計焦っておられる…?頬を赤く染め上げております…。ダメなんでしょうか?」

 「うーん、なんか違うらしいね。」

 「馬鹿ねぇ。今まで堂々と衣服なんて着てなかったのに、急にコンブ巻いてそんなポーズ取っていたら向こうも羞恥心がでてきたんじゃない?殿方って大体皆そんなものよ。」


 フリーダ、ヘラ、テアにはあまり評価は芳しくなかったようだ。ちなみに羞恥心がわくポーズとはなんだ?私はそんな恥ずかしいポーズをとっているのか?


 「お姉様、恥ずかしいのではなく、煽情的なポーズといって差し上げたらよろしいかしら?今のお姉様は人間の殿方にとって目の毒みたいよ。」


 なに?!私は人間のオスにそんな低俗な気を起こさせる気はない!


 「ちょっと、いきなりコンブ捨てだすのやめなさいな!んもう、お姉様の考えていることはこの姉妹とアメリアならわかるのだけど、今お姉様、端からみたらほとんど喋っていないのよ?情緒不安定に見られちゃうわ。」


 …む、確かにいきなり相手に油断されるような真似は避けたい。テアが言った傍から私にコンブを押し付けるため、もぞもぞとコンブをまた身に巻き付けた。


 「心配ありません、姫様。先ほど人間の女給達に服の用意を持ってこさせるよう指示しました。海から来る為濡れた時用の着替えという名の簡素なものしかないと言っていましたが…つくづく用意が悪いですね。私たちが人間の最新の衣服を乾いたまま持っているわけないのは想像に容易いでしょうに。」


 「仕方がない。寧ろそのような理由を盾に陸からの早速の嫌がらせかもしれんぞ?堂々と着こなして見せようではないか。」


 「かしこまりました。500年前の記憶とセンスですが、私が見た時にあまりにもふざけた衣服であればすぐに女給どもを締めて差し上げましょう。」


 フフフ…と黒い笑顔で仁王立ちするアメリアには頼もしいものがあった。その傍でテアとララがアメリアと同じ姿勢で待ち構えるかのように立っていた。


 そして、下にはコンブが絡まって転がっている双子姫がいたのだった。


人魚姫たちがいきなり海で立って歩くのって、重力違うから大変じゃないの?

→人魚姫たちはかなり鍛えられたおみ足(尾ひれ)を持っているのでそもそもの筋力が格段に違います。

 人魚姫たちの住んでいる海は弱肉強食の色が強い大洋なので、強い=偉いという考えが濃いです。生まれてすぐに狩りや戦闘訓練を積んでいました。

 そのため、いきなり陸へ立つこともへっちゃらなのです。


ちなみに、今回入るエルメンタ王国は近代ヨーロッパに近いファッションセンスを持っています。

よって、ペチコートやらパニエやら重たい服をこれから着ることになるのですが、たぶんものともしないでしょう。



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