part7
「お嬢様?部屋に入りますよ?
よろしいですか?」
クリストルは慌てて
「もう少し待って!」
目の前に横たわる大きな
問題に取り掛かる事にした。
「早くここから出て下さい。
ケーラが来てしまいます。
揉め事を起こすつもりですか?」
悪魔はクリストルの問い掛けに対し
「ふふ、私はお前の困った顔が見たい。
だからここに留まることにした」
クリストルは眉間にシワを寄せて
「変わってるのね」と皮肉交じりに言った。
再び扉の向こう側からケーラが言う。
「お嬢様、朝食の時間に遅れてしまうので
入りますね」
強い力で扉が開かれる。
ケーラの足音が近づいてくるのが分かる。
カーテンが開かれていく。
「お嬢様?早く起きて支度をしてください」
小さい声で返事をした。
「うん」
クリストルはもうどうすれば良いのか分からなくなっていた。
運に身を委ねるしか出来なかった。
どうかケーラが怒らずに済んで下さいと
強く願った。
だが、その願いはすぐさま砕かれる。
ケーラがベットに近づき
掛け布団に手をかける。
「お嬢様?起きているなら
早く着替えて下さい」
クリストルは布団から頭だけを出して
「えへへ」
「さぁ、起きて下さい」
ケーラが布団を剥がそうとする。
だが、それをクリストルが中で引っ張って
させなかった。
クリストルの最後の抵抗である。
「お嬢様?ふざけてないで起きて下さい」
「うぅ〜ん」
ケーラは時間がないので
力強く引っ張った。
「あっ…」
ケーラの目付きが変わった。
「貴様…そこで何をしている…」
悪魔はケーラに睨まれても動じず
クリストルに抱き付いた。
「なんだ、ケーラじゃないか。
今クリストルと良いところなんだ邪魔をしないでくれ」
ケーラは剣を抜きクリストルを
引き剥がすと悪魔の胸ぐらを掴み首元に
刃を当て
馬乗りに跨った。
「お嬢様に何をした…」
「色々だよ。お前には関係ないことだろ?」
クリストルがケーラの後ろから抱きつき
後ろに引っ張った。
「ケーラ!私は何もされてないわ!
だから落ち着いて!」