part2
クリストルはパニックになるのを必死に
耐えながら話しかけた。
「あ、あなたは…誰ですか…?」
すると、背後から抱きつかれ
顔に手が這ってきた。
「ひっ…!」
耳元で囁く。
「震えてるおりますよ?大丈夫ですか?」
嘲笑うかのように言ってくる。
クリストルは
もう今すぐにでも
泣き崩れてしまいそうだった。
そんな時、後ろで何かを叩く鈍い音がした。
それと同時に抱きついて何者かが
その場に倒れた。
クリストルが振り返ると
厚い本を持った侍女のケーラが立っていた。
「ケーラ…!」
クリストルはケーラに抱きついた。
「お嬢様、お怪我はありませんか?」
「大丈夫よ。でも、ケーラどうして…?」
「お嬢様が誰かと電話でもなさっているのかと
思っていたのですが
なにやら鬼気迫ったように感じたので
隠し扉を使って入りました」
「そうだったの…」
クリストルはケーラを強く抱き締めた。
ケーラは優しく頭を撫でて安心させた後、
話を聞くためクリストルを少し体から離した。
「お嬢様、この者は何者なんです?」
「私にも分からないわ。いつの間にか
私の部屋に入っていたのですもの」
ケーラは眉をひそめ、倒れている者を見ながら
「この者を、警察に突き出しましょう!」
それに対しクリストルは
「待って、警察に突き出す前に
私たちで話を聞いてみましょう?
ここに侵入したのも何か理由があるのかも」
「そんな甘い考えではいけません!
この者はお嬢様を襲い
不法侵入したのですよ?」
「ですから、その理由を聞こうと
言っているのです!」