part1
紅く染まる満月を背に少し高い丘に
黒い布で体を覆っている1人の女がいた。
「美味そうな命見つけた…ふふっ…」
そういうと女は暗闇に消えた。
あるお城でパーティーが行われていた。
今日の主役であるクリストル姫
ブロンドの髪にブルーの瞳、容姿端麗である。
そんな彼女だが
今日のパーティーはお気に召さないようで
「スゴく退屈です…」
そう嘆くと
クリストル専属侍女ケーラが
「我慢して下さい。あなたの為のパーティー
ですよ?」
「分かってるわよ。はぁ〜」
クリストルは父の用意したパーティーが
つまらなく感じているのです。
「はぁ〜もういいわ、部屋に戻ります」
「お待ちください、お嬢様!」
「入ってこないでよね!」
クリストルは足早に部屋に戻った。
部屋の鍵を閉め
ヒールを乱雑に履き捨て
椅子にドカっと座った。
「はぁ〜疲れた〜」
カチャっという窓の開く音がした。
侍女のケーラが入ろうとしてるのかと思った。
「もう〜そんな所から入ろうとしているの?」
窓から顔を覗かせたが誰もいない。
そっと窓を閉めて戻ろうとした時
後ろで再び窓が開く音がした。
クリストルは早足でイスの所まで戻り
振り向いた。
だが、窓が開いているだけで
誰もいない。
誰か呼ぶべきだろうか、ただ閉めるのが
甘かったのかもしれない。
色々な事を考えている最中
背後から声がした。
「姫様」
クリストルは恐怖で
その場から動けなくなった。