表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

1-2 繋がり

19時過ぎにもう1話投稿します。

「あ……!もう、こんな時間……」


あの後、2人はなんて事ない会話を続けた。

そんな会話をしていると、百合花が突然声を上げた。

それを受け、葵も時計を確認すると、時刻はもう18時だった。

会話に夢中で気づかなかったが、周囲を見渡すと、徐々に日が落ちてきていることもわかる。


「早いなぁ」


葵はポツリと小さく呟いた。


「はい。本当、早いです」


百合花もそれに続き、呟く。


一瞬の静寂。しかしすぐに百合花が口を開いた。


「あの……私そろそろ帰らないといけません」


「そっか……」


「はい……」


まだ話をしたい。もっともっと仲良くなりたい。


そんな思いが葵の中を駆け巡る。


……明日も会えないだろうか。


不意にそんな願いが葵の中に生まれる。


そしてその願いはあっという間に大きく葵の心を支配した。

葵は、意を決して百合花へ話しかけようとして、


「あ、あの!明日、何かご予定はありますか?」


……それよりも一瞬早く、百合花がそう口を開いた。


「よ、予定……?」


葵が驚きと共にポツリと呟く。


「は、はい!」


「うーん……ちょっと待ってね」


そしてそう言葉を続けると、手帳を開き、念のため明日の予定を確認する。

休日である為、大学の講義はなく、また友人との予定もないようだ。


「うん。明日は1日空いてるよ」


「……!本当ですか!?」


「う、うん」


大和撫子な少女のしかし先程までとは全く違う前のめりな様子に一瞬たじろぐ。


そんな葵をよそに、少女は先ほどの葵のように深呼吸をして息を整えると、意を決した様子で、


「あの、もしよろしければ……明日もここで私とお話をしてくれませんか?」


と縋るような目を葵に向けた。


突然の提案。

それもこちらからしようと思っていたものであり、願っても無いことである。

この誘いを断る理由が、葵には一つも思い浮かばなかった。


「……うん!明日も話そう!」


だから百合花の提案に、間髪入れずにそう返した。

百合花の表情がパッと明るくなる。

その表情に、葵は再び顔を赤くした。



「じゃ、また明日ね」


「はい!また明日!」


手を振りながら、満面の笑みを浮かべながら、百合花が離れていく。

そして、遠く離れた百合花は最後に小さくぺこりと頭を下げると、角を曲がり、自宅へと帰っていった。


「…………」


百合花の姿が見えなくなって。

葵はまるで夢から醒めたかのような感覚に陥った。


1人の美しい少女に一目惚れをして、自分から話しかけるという今までの自分では考えられないようなことをして、そして最終的には向こうから明日も会いたいとの申し出を受ける。


そんな、夢のようなことがたった一日の間に起きたのだ。


今の今まで夢だったのではないか。

そう考えてしまうのも仕方がないと言えるだろう。


「明日……明日かぁ」


思わず頬が緩む。

明日も好きな人と会って話ができる。

それも向こうからの申し出だ。


こんな幸せなことはそうそうないだろう。


「明日……楽しみだなぁ」


葵は頬が緩み、何とも締まらない顔のままそう呟くと、数分の間余韻を楽しんだ後に、家へと帰宅したのだった。


前書きでも書いたように19時過ぎにもう1話投稿します。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ