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7話 移動

『アサシンII』を出した射出口とは反対の射出口からスロープを出し、僕達の乗るバスを降ろす。射出口から出ると森が切れており、草原が広がっていた。


「イリアーナさん、皆さんをどこにお送りすれば?」

「ギョリデルト領のルカリ村までお願いします。そして申し訳ありませんが私達は目隠しをされていたのでここがどこか分からず案内が出来ません」

「あ、それならまぁ、何とかなります」


僕が送り届ける場所を聞くと、案内が出来ない事にイリアーナが謝罪する。だが地名さえ分かればメニューにある『マップ』機能から探せばいい。


「取り敢えず最初は半径2~30km圏内を探してみるか」


僕が右後頭部に手を当て、メニューを開き『マップ』を起動する。すると目の前に光学スクリーンが現れる。それを操作しルカリ村を探していく。2~30km以内には村らしきものが無く、40、50、60kmと増やしていく。


「それは、魔法ですか?」

「まぁ、似たようなものですね。イリアーナさんこれも──」

「他言無用ですね?分かってます」


僕のスクリーンを指さしてイリアーナが質問してきた。僕が釘をさす前に、イリアーナがウインクして笑顔を向けて了承する。

僕が再びマップを操作すると約72km先にルカリ村を発見した。このバス『ビークルB』は最高200kmまででるモンスターバスで、村までずっと平原なのでだいたい時速150km位出す気でいる。そうすればもし敵等がいても馬では絶対追いつけないし、追う気にもならないだろう。まぁ、一応『飛翔連槍』という20連ミサイルが装備されているのだが。


「これから30分程で村に着きますが、安全の為に椅子に付いている黒い紐を付けさせて頂きます。かなりのスピードを出すので安全用です」


僕が座席座っている女性達一人一人の元に行き、シートベルトを締めさせる。なにせ時速150kmも出して急停車でもしたら危険だしな。皆シートベルトを締めると「何故縛るんですか?」と不安そうにするのでいちいち説明していたら20分程かかってしまった。


「イリアーナさんも席に着いてください」

「横の席はダメですか?」

「別に構いませんが」

「では失礼します」


イリアーナが僕の横の座席に座り、自らシートベルトを締める。散々教えてたからそりゃそうか。イリアーナは助手席でキョロキョロしている。

僕も運転席に座りシートベルトを締めて、護身用の『ブラックカヅィCRZ』を座席の横に置く。そして走り出す。


「凄いスピードですね。これは移動も楽ですね」

「馬と違って休みも必要無いので燃料次第で走り続けられますよ?」

「本当に?ツヴァイさんには驚かされてばかりです」


イリアーナがバスのスピードに驚く。帰れる事がよほど嬉しいのかさっきからずっとニコニコしている。


「そういえば、イリアーナさんは街に住んでいるのですか?」

「はい。何故それを?」

「さっき、街に戻ったら礼がしたいと仰ってたので。良ければお送りしましょうか?」

「よろしいのですか?」

「自分は田舎育ちで何も常識が分からないんです」

「では私がツヴァイさんに沢山常識を教えて差し上げます」

「あと」

「あと?」

「イリアーナさんとお話していると楽しくて。僕の持ち物を褒められると嬉しいですし。もう少しお話したいと思いまして」


さっきイリアーナが言っていた事を思い出し、話を広げる。それに田舎から来たと言った事で何も知らない事を誤魔化す。しかしイリアーナが黙り込んだので少し馴れ馴れしくしすぎたと反省する。


「イリアーナさん?」


あまりにも話さないので僕がふとイリアーナの方を振り向くと、視線に気付いたイリアーナがニッコリ微笑み返す。その時僕は、まぁ、あれだよ。恋に落ちた。その時


「ツヴァイさん、危ない!!」


イリアーナが叫んだ。僕がイリアーナの視線の先を見ると腕と翼が一体化した細長い蜥蜴のような生き物がバスの前方に立っていた。

僕はブレーキをかけながら陸上ビークル標準装備の慣性無力化装置を起動させバスを即座に停車させる。


「え?何、ドラゴン?」

「あれはワイバーンです!!ドラゴンは超災害級危険指定モンスターですよ!!ですがワイバーンもレッドゾーン指定モンスターですよ!!充分危険です」


イリアーナが知らない単語使っていたが取り敢えず危険らしい。


「発射!!」


ワイバーンが動く前に『飛翔連槍』を全弾撃ち込んだ。

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