「ハイドライドスペシャル」と彼女の謎
掲載日:2015/07/03
まだドラクエ前。その直前に「ハイドライドスペシャル」が発売された。
すこし時間は遡る。発売直前の小学六年生のころだ。教室で「ハイドライドスペシャル」の話をしていた。相当面白いらしい。広大なマップ、魔法、モンスター。どれもこれもこれまでに見た事がない。元がパソコンのゲームなのだから相当にむつかしく、大人向けなのだろう、と想像が膨らんだ。ファミマガで紹介される記事の写真に想像は膨らみ続ける一方だった。
しかし、隣でそれを聞いた女子のTが「ハイドライドならお父さんのパソコンで遊んだ。ファミコンゲームなんて偽物だ」と言い放つとどこかに行ってしまった。俺たちだってパソコン版があること、大人の機械であること、ファミコンがゲーム機であることなどを知っていたので、悔しくもなかった。「スペシャル」と名乗っているが、それは「偽物」だと自分でも思っていたのだ。
その後月刊ジャンプでパソコン版ハイドライドの紹介を見たのだけれど、白一色でドットの荒い主人公、色の少ないマップとどうみてもファミコン版のほうがきれいな画面だった。「なんだよ、パソコン版なんて大したことないじゃないか」と彼女を思い出した。
その後ハイドライドはすべての謎を解き明かしたけど、彼女の謎は解けずじまいとなった。




