いつかの桜SS・4
「やっほーこーちゃーん♪」
「いきなり抱きついてくるなアホ娘。」
俺に気づくと同時にタックルのごとく飛びついてきた担任を拳で止める。
「いーたーいー!女の子をグーで殴るなんてひどいよー!」
「殴ってないわ人聞きの悪い事を大声で言うな!止めただけだろうが!」
「なんでグーでとめるのよーう!その体で優しく受け止めてくれればいいでしょー!」
「お断りだアホ娘!」
「ぶー、せっかく乙女の柔肌を思春期真っ盛りの男子に与えて悶々とした夜を過ごさせてあげようと思ったのにー。」
「誰が乙女だ誰が」
「えー、まだ私乙女だよ?
もちろん性的な意「黙れいい大人が」
暴走を始めた残念乙女にチョップをかまして言葉を遮る。
「いーたーいー!泣くよー?
いじめられたって先生に泣きつくよー?」
「お前も先生だろうが・・・」
「ほらほら、廊下でコントやってないで。さっさと朝礼始めるわよー。みんな座ってー。」
いつの間にか澄が教室のドアに手をかけていた。多分今朝も生徒会の仕事をしていたのだろう。
澄の声に生徒が各自席に向かう。
「はーい。」
立原もいい返事をして教壇に向かう。
この異常な光景にももう慣れた。
慣れていいものか非常に微妙だがこれにツッコむとコントが継続して澄に怒られるのだ。
俺も別にコントを見せたくてやっているわけではないし、教室の奴らも最初は笑ったり何だりしてたが最近は最早日常の光景と化していてうんざりされるので、澄が来たらおとなしくすることにしている。
「相変わらず仲いいねー。」
自分の席に着くと同時に、悠がニヤニヤしながら話しかけてくる。
「遊ばれてるだけだあれは・・・」
椅子に座り、朝っぱらから若干疲れた体をいい感じに冷たい机に乗せる。
「はーい、じゃあ朝礼始めるよー。すみすみ号令お願いね♪」
「また新しいあだ名を・・・まぁいいけど。
全員起立。」
ーーーまだまだ暑い、とある残暑の日。
・・・この教師と会ってまだ半年。




