2人の殺人鬼 5
「君は何を思いながら人を殺す?」
という男の問いに少年は考えた
少年は獲物を狩るときは獲物の命を奪うことしか視野に入れていない
少年の感覚としてはバトルが始まってから戦術のことしか考えていない
獲物の首を跳ねる 戦闘中はそれしか考えていないだろう
「君には簡単にこたえられると思ったんだけどね」
男はふぅーと大きく息を漏らしながらまた呟いた
「・・・・・・・・・何も・・・・・ない」
少年は声の小さな声でそう答えた
「ん?」
男は首を傾げる
「俺は人を殺すときには何も考えていない」
少年の言葉を聞き男は少し驚いた 自分の思っていたのとは違った答えを少年が示したからだ
「何も考えないとはどういう事かな?」
「言葉通りの意味だよ。ただ直感だけで動いてる、そんな感じだ」
男は手で少し頭を押さえてフフっと笑いながら
「どうやら少し聞き方を間違えてしまったようだ」
男はどこからか火のついた煙草のを取り出すとまた口に咥えた
いつの間にか部屋中に煙草の匂いが漂う
「では再び問おう。君はなぜ人を殺す」
少年の目つきが一瞬で鋭くなる その視線は男の目をとらえた
「どうやら何か思い当たる物があるみたいだね」
男はフンっと鼻で笑った しかしその態度とは裏腹にポケットにしまってあった銃に手をかける
男の言う通り少年は目的のために人を殺している
そうある野望のために殺し屋として働いている
受ける仕事はすべて警官相手の仕事 少年は一般人は狙わない
その理由家族を殺された復讐といったものだ
彼の両親はのコロシヤだった
警備機関とは政府管轄の組織であり 巡査 警官 コロシヤと大きく3つに区分されている
それぞれの役職は異なる
巡査は犯罪を未然に防ぐための活動をしている機関で基本はパトロールか事務職しかしていない
警官は罪を犯した人を拘束して それ相当の罰を与えることを目的としており警備機関の花形である
コロシヤは直接的に罰を執行するもの達のことを言う。
正式名称コロシヤではなく刑執行人だがその「ケイシッコウニン」というゴロの悪さや仕事内容のほとんどが犯罪者の始末なので一般的にはコロシヤと呼ばれている
この男もまたコロシヤである。
少年の父親ジョー・グランは少し名が知られていたコロシヤであった
その腕の良さから瞬く間に出世を繰り返し一時は警備機関の要人として職務を全うしていた。
グラン流といった単距離戦での戦い方は 今でも巡査 警官 コロシヤの役職に就くのに必須な体術の一つとなっている。
そんな彼のたった一人息子がこの少年である。
しかし彼の父親は殺されたのだった ある罪によって・・・・・・
「次回 少年の過去が明らかになる!」